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ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】モダンガール論

2008年02月23日 22時05分12秒 | 読書記録2008
モダンガール論, 斎藤美奈子, 文春文庫 さ-36-2, 2003年
・『女性の人権問題』にはこれっぽちも興味は無く、興味があったのは著者の綴る文章です。きっかけは、前出『働くことがイヤな人のための本』(中島義道)のあとがきでした。そのズバッ! と相手に切り込んで行く様は爽快です。
・テーマは日本の明治から現代までの女性史。「歴史は繰り返す」という主張を軸に論を展開する。
・思ったよりもおとなしい、というのが読んだ第一印象です。しかし、自分にとっては何の興味も無いテーマについて、面白く読ませてしまうのはすごいことだと思います。お気に入り著者に追加。今後に期待。
・「そうなのだ。女の子には出世の道が二つある。立派な職業人になることと、立派な家庭人になること。職業的な達成(労働市場で自分を高く売ること)と家庭的な幸福(結婚市場で自分を高く売ること)は、女性の場合、どっちも「出世」なのである。  したがって、女の子はいつも「二つの出世の道」の間で揺れてきた。」p.10
・「さて、それから今日までの100年間、女の子たちが二つの出世の道の間でどんなふうに右往左往してきたか。べつにいうと、自身の出世願望を充たすために、彼女たちがどれほど微笑ましくも涙ぐましい奮闘努力をしてきたか。その足跡をたどってみようというのが本書の主旨だ。」p.12
・「この本は、じつはあんまり正義の味方じゃない。この際、名前をつけておこう。欲望史観。うん、これがいい。」p.12
・「20世紀の望ましい女性像とは何だったか。行をかえて強調しちゃおう。  良妻賢母!」p.26
・「ここは断言してしまおう。日本の男子の近代は「立身出世」思想からはじまった。そして、男子に遅れること30年、女子の近代は「良妻賢母」思想とともにはじまったのだと。」p.29
・「主婦はいまとなっては「平凡」の代名詞である。しかし、かつては平凡どころかオシャレな生き方の最前線。やる気満々の女の子たちをして「主婦になりたい!」と夢みさせるに十分な、キラキラした女性像だったのだ。」p.60
・「市民レベルの生活が近代化、合理化、洋風化するのは20世紀以降、おもに大正時代だ。「文化」「家庭」「生活」「衛生」「健康」といった熟語も、みんなこのころ流行し、普及したことばである。」p.65
・「さあ、どうでしょう。新しい設備に新しい方法論。街には主婦を支援する情報やグッズがいっぱい。こんな時代に主婦をやっていたら、ワクワクしたと思いませんか。」p.70
・「頭脳労働中心の「職業婦人」と区別する意味で、女工のような肉体労働者は「労働婦人」とも呼ばれていた。」p.87
・「女工や女中は差別の対象だったのだ。職業に貴賎はある。女工や女中はまさに「賎」の代表選手。人々が彼女達を見る目は、ひどいものだった。ブスでバカで貧乏で行儀が悪くて身持ちが悪い。」p.101
・「農村婦人には産休もない。分娩の直前まで働いて、出産後も横になっていられるのは、たった一日、せいぜい二四時間であり、一週間以内には、七割の人が「通常どおりの労働」に復帰している。」p.146
・「・貞婦になるより恋に生きたい  私の家庭はこの通り、けれど夫婦の関係というものはこれでも無事に済んでゆくのです。私も貞婦の一人なのです。けれど私自身はそんな言葉はいただきたくない。それよりも、人間なら人間らしく真面目な恋に確(しつか)り抱かれていたい。たとえそれが恐ろしい罪悪の名の下に支配される行為でも……ふるえて偽りの日を送るよりも、形式はどうあろうとも心と心をふれ合うことのできる生活に這入りたい。(荒木郁「手紙」/『青鞜』明治45年4月号)」p.182
・「余談だが、戦前戦後の女性論客の中でも山川菊栄はとびぬけて頭がいい人、という印象がある。売春論争でコテンパンにされた伊藤野枝も気の毒だったが、晶子もらいてうも彼女の参戦を内心「いやだなあ」と思ったのではなかろうか。年下の才女が突然出てきて「あなたのは女性論です」「あなたのは母権論ね」なんて論評されたら、どう? いやな感じでしょう?」p.188
・「というか、職場の待遇差別から主婦の自立論まで、現代の私たちが直面しているような問題は、戦前に、ほとんどすべて先取りされていたのである。」p.189
・「戦争は変化を求めていた人々の気持ちをパッと明るくした。保守的で頑迷な昔風の女性ではなく、前向きで活発で近代的なセンスをもった女性ほど、戦争にはハマりやすいのですよ、みなさん。」p.197
・「けれども、女性の職場進出は、かえって促進されたのである。平時との大きなちがいは、徴兵によって激減した男子労働者の穴を埋めるために、それまでは「女にはふさわしくない」という理由で男が独占していた職域にまで、女性の職場が拡大したことである。」p.203
・「戦争には「階級差別」と「性差別」という平時における二つの差別を忘れさせる効用がある。国民皆働のかけ声と物資不足からくる耐久生活は「国民みな平等」の錯覚をおこさせる。さらに「男は戦争/女は労働」の戦時政策は、「女性の社会進出→婦人解放」の幻想をいだかせる。  戦争=銃後の暮らしは女性に「出世」を疑似体験させるのだ。」p.216
・「が、重要なのは、戦争がどんなに悲惨な結末を迎えたじゃなく、人々がどんな気分で戦争をスタートさせたか、だ。戦争責任とはそういうことじゃないんだろうか。」p.217
・「もう一度いおう。モダンガールは後ろ向きな姿勢や保守的な態度を嫌う。だからこそ、戦争に向かって進んでいく時代には、軍国婦人になりやすいのである。」p.218
・「高度成長期のかくれた変化のひとつに「恋愛結婚の増加」がある。明治大正の女の子たちもロマンチックな恋愛を夢みていたが、じっさいには九割がたがお見合いで結婚した。」p.244
・「アンノンのファッション革命によって、かつて「家事」や「花嫁修業」の領域にあったものは、ことごとくカジュアルな趣味・消費の対象にかわった。」p.268
・「アグネス論争、なつかしいですね。いちおう復習しておくと、「アグネス論争」とは、1987年から翌年にかけてつづけられた「育児と職業」をめぐる論争である。  それがいままでのどの論争ともちがっていたのは、有名無名、識者非識者、男女の別を問わず、ものすごーく多くの人が参戦したことである。」p.287
・「ここで私たちが思い出すのは、大正中期の母性保護論争である。アグネス・チャンの「子連れ出勤肯定論」は平塚らいてうの「母性保護は女の権利だ論」を、林真理子の「子連れ出勤は女の甘えだ論」は与謝野晶子の「母性保護は女の甘えだ論」を思わせる。」p.290
・「20世紀末、1990年代の女の子たちは白けていた。女子高生も女子大生もOLも白けていた。彼女たちはなんだってもっていた。流行の洋服も、山のような化粧品も、ブランドもののハンドバッグも、携帯電話も、ボーイフレンドもだ。家の中には立派な個室があり、家の外には時間をつぶせる遊び場がいくらでもあった。けれども、彼女たちは白けていた。  彼女たちが失ってしまったもの、それはおそらく「夢」である。」p.294
・「この100年を、大まかにまとめると、前半の50年は「出世のモデルケース」がショーウィンドウに飾られた時期、後半の50年はショーウィンドウのなかのモデルケースをみんながこぞって買い求めた時期、といえるのではないかと思う。戦後の50年は、戦前の50年の拡大版だったといってもいい。」p.296
・以下あとがきより。
・「自分でいうのもなんですが、この本を書く過程は、興奮と発見の連続でした。  当初、私が考えていたのは、ごく単純なことでした。  専業主婦と働く女性という二つの行き方は、どこでどう分岐したのだろう。」p.310
・「少なくとも、高校、大学に進学し、そこそこの企業に就職しさえすれば一生食いっぱぐれずにすむ「一億総中流の時代」は過去のものになった、と考えるべきでしょう。  さて、ではこんな時代の「ポストモダンガール」はなにを目指せばいいのでしょう。『モダンガール論』の結末は、読者にそこはかとなく不評でした。「先輩たちのことはわかったが、じゃあ私たちはどうすりゃいいの?」ってことですね。  正直にいうと、2000年の時点で、私にも明快なビジョンは見えていませんでした。」p.315
・「思えば、出世とは「見てくれ」にこだわる生き方です。考えようによっては「出世から下りる」ことで、かえって新しい展望が開けるかもしれない。」p.319
・「さしあたって私にできるアドバイスは、女性も男性も、一生続けられる仕事をぜひ見つけてください(それが見つかっている人は、ぜひいまの仕事を大切にしてください)、ということです。」p.320
・以下、解説(浅井良夫)より。因みにこの人物は、著者の大学(ゼミ)の恩師だそうです。
・「現存作家の文庫本の解説は、何のためにあるのでしょうか? そんなことは、今まで考えたこともなかったのですが、いくつかの文庫本の解説を開いてみて、要するに「お口直し」、たとえば、焼肉をたべたあとの、ペパーミント・ガムのようなものだと納得しました。「お口直し」ですから、作者と解説者の「取り合わせの妙」ないし「取り合わせの奇妙」がキー・ポイントです。」p.322
・「「進歩史観」、「抑圧史観」を排し、「この本はあまり正義の味方ではない」とうそぶく斎藤美奈子は、まさに、マンデヴィルの末裔です。」p.324
・「また、郁さんは、「ルーズソックスのコギャルは元気で明るい。(中略)この本の作者の斎藤美奈子さんも元気な女性の一人である。自分の考えを思ったとおりにまとめて、本を出版しているのだから」と、斎藤さんとコギャルの生き方の共通点をズバリ指摘しました。」p.328
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【食】麺処うどんちゃん [和食@苫小牧]

2008年02月22日 22時03分02秒 | 外食記録2008
麺処うどんちゃん [和食@苫小牧][Yahoo!グルメ]
2008.2.3(日)17:35入店(初)
注文 ほっきみぞれうどん 1080円

・『うどんちゃん』 ネットでたまたま目に入り、「コイツはうまそうな匂いがプンプンするぜぇぇ~!!」というネーミングに期待大! のお店です。
 
・苫小牧のカウボーイ方面、国道36号線のEAT-UPや山岡家のある交差点を内陸方向に直進、踏切を越えた突きあたりを左折し、ゆるい右カーブの道を500mほど進んだ、大通りに出る少し手前、右手にあります。

・小奇麗な店内。壁にはラーメン好きな某落語家など有名人のサイン色紙が数枚貼ってありました。
・「元祖ほっき節うどん」が名物らしいので、ここから選択。注文時、「サービスでご飯がつきますが、」とのことで、せっかくなのでつけてもらう。
・うどんは一日百食限定で無くなり次第終了。ほぼ夜の営業開始時刻びったりに行ったのに、既に先客が二組。
 
・出てきたのは、冷たいうどんに、ホッキ、イカ、タマネギのかき揚げと大根おろしが乗ったものでした。つゆをかけて、いたーだきーます! サービスのご飯はかわいらしい量でほっとしました。ドドーンと出てきたらどうしようかと。
・麺はホッキが練りこんであるので、ほんのりピンク色。正直言ってホッキの風味が効いてるのかどうなのかよく分からなかったのですが、麺自体は普段口にしていたうどんとはまるで別物でした。噛んだ瞬間の、モチッ → プツン と切れる感覚が絶妙。歯ざわりのキメが細かくとっても滑らかです。うどんは美味しく作るとこんな風になるのかと感心してしまいました。かき揚げの方は、脇役のタマネギががんばっていました。やたらに甘くて美味しい。しばし恍惚。また、試しにつゆだけ飲んでみると、すっと口に入って中でふわっとカツオの風味が打ち上げ花火式に広がる、他の店とはひと味違うつゆでした。
・うどんの美味しさを再発見で大満足。
・料理はとっても美味しかったのですが、他の客の吸うタバコの煙に辟易。「せめてオレが食べ終わってからにしてくれ…」などと自分勝手に念じながらの食事でした。
・会計時には次回使える100円引きのチケットがもらえます。
・この店の向かいにある店が『アルデンテ』(パスタ)そのすぐ左には『一龍』(ラーメン)と、苫小牧でも評判の店が軒を連ねています。しらかば町のこの界隈はまさに『麺の黄金地帯』。この二店も近いうちに訪れたいと思います。

 

・その店名と所在地からして、『人類』ではなく『麺類』を名乗る某知人が黙ってはいないだろうと思ったら、やはり↓
「苫小牧一のうどん」は、ココかも。(今年のうどん・378)
http://www.wheatnoodles.com/x/archives/001022.html
コメント (3)
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【論】Friedman,2000,Using Bayesian Networks to Analy~

2008年02月22日 08時02分01秒 | 論文記録
Nir Friedman, Michal Linial, Iftach Nachman, Dana Pe'er.
Using Bayesian Networks to Analyze Expression Data
Journal of Computational Biology. August 1, 2000, 7(3-4): 601-620.
[PDF][Web Site]

・それまでの研究の単なる遺伝子抽出だけではなく、マイクロアレイから得られる遺伝子発現データに Bayesian network を適用し、遺伝子間のネットワークの解明を目指す。マイクロアレイの開発が進み、実験がしやすくなり、解析するデータが増えてきたことによる。
・データ:S.cerevisiae (酵母) cell-cycle measurements, 76サンプル, 6177遺伝子 [Spellman,1998]
・Bayesian network に使う確率モデル
1.Multinomial model
2.Linear Gaussian model

・研究の動向「Early microarray experiments examined few samples, and mainly focused on differential display across tissues or conditions of interest. The design of recent experiments focuses on performing a larger number of microarray assays ranging in size from a dozen to a few hundreds of samples. In the near future, data sets containing thousands of samples will become available.
・特長「It is important to note that our learning algorithm uses no prior biological knowledge nor constraints. All learned networks and relations are based solely on the information conveyed in the measurements themselves.
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▲閉店【食】MiYa-Vie [洋食@札幌]

2008年02月21日 22時07分23秒 | 外食記録2008
▲閉店 2017年10月宮の森に移転 [2019.7.13記]
MiYa-Vie(みやび)[洋食@札幌][HomePage][食べログ.com]
2008.2.3(日)12:00入店(初)
注文 HaNa(ランチコース) 2800円

・ラーメンとかカレーばっかり食べていないで、たまにはこんな店も。高級フランス料理店へ突撃してみました。
 
・札幌の南6条通りに面したコンクリート打ちっ放しのビルの半地下にあるお店。ヘンに場所を言葉で説明するより、札幌の場合は『南6西23』と言った方が早いでしょうか。うっかりすると気づかずに通り過ぎてしまいそうな目立たない外観です。洞爺のミシェル・ブラスほかで活躍したシェフが開いた店だそうです。
  
・玄関を入った瞬間から空気感が違います。緊張~…
・ランチコースは二種類。安い方を選択。
お飲み物はいかが致しますか?
水でお願いします(きっぱり)」
チラッと見たドリンクメニューの中には、ワインなど通常の飲み物のほかにミネラルウオーターが500円前後の価格で3つほど並んでいたので、ヘタに「水ください」なんて言うとこれが出てくるのじゃないかとちょっと心配でしたが、有料の水が出てくるなどということはありませんでした。

・パン : 普通のフランスパン。
・ナイフが、縦に自立するような変わった形状をしていました。フォークやスプーンも適度な太さと重量で使いやすい物でした。

・『ラルドとローストした蕎麦の実で香りをつけた牡蠣とジャガイモ“メークイーン”のスープ、ほうれん草と生姜風味のリンゴ“紅玉”のピューレを添えて.
牡蠣風味のジャガイモスープに蕎麦の実とほうれん草とリンゴ……意味不明な取り合わせでどんな味だか想像つかない一品でしたが、結果的にこれが一番美味しかったです。牡蠣を調理する際、その生臭さをどうにか工夫して消すようにするのが一般的かと思いますが、この料理では生臭さを逆に積極的に利用していました。これにジャガイモの優しい味とその他の素材が加わってなんとも不思議な味の世界。こういうやり方もアリなのかと、この料理にはちょっとびっくりさせられました。料理人、してやったり。

・『MiYa-VieのタルティーヌNo5 オリーブ風味のパンに載せた、岩手県産鴨もも肉のプレゼ. マスタードで煮込んだ北海道産トラ豆と蕪、トマトコンフィのソースを添えて.
こちらはわりとマトモな(?)肉料理。トマトソースが濃厚な味。
・料理を待つ間、厨房からは料理を作る音が聴こえてきます。外国語が飛び交ったり、焼いたり揚げたりする音だったり、いかにも美味しい料理が出てきそうな活気ある音。

・『シンプルに、ココナッツ風味のバナナのタルト、ライムのシャーベット、黒砂糖のシロップを添えて.
タルトが焼きたてなので、上にのったシャーベットがどんどん溶けてしまいます。早く食べないと! ホカホカのバナナと冷たいシャーベットの、新鮮な食感。盛り付けも凝っています。お皿がキャンバス代わり。

・コーヒー : 普通のコーヒー。取っ手の無いかわいらしいカップ。この他、持ち帰り可能な小ぶりのパウンドケーキも出てきました。
・食後、給仕の方より、
本日の食事はいかがでしたか?
え?? え、えぇ~~と……美味しかったです!(以上)」
慣れていないので気の効いたコメントのひとつも出てきません。こういう店の場合、食べながら食後のコメントを考えといた方がいいようです。

・日によってメニューが変わりそうなのに、メニューが活字だったのが不思議です。場合に応じた相当な数のメニューのライブラリがあるということでしょうか。
・味も見た目も料理は芸術になりえることを感じさせる料理でした。量的には腹八分目ですが、この価格なら十分満足です。しかし、次回高級料理店に行くことになったら、またこの店に食べに来るか、新たな店を開拓するか、どちらか選べと言われたら……後者を選択してしまいます。申し訳ないですが。
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【食】そば長 [和食@苫小牧]

2008年02月21日 08時02分00秒 | 外食記録2008
そば長(そばちょう) [和食@苫小牧][食べログ.com]
2008.2.2(土)17:10入店(初)
注文 かつ丼 800円

・目当ての店がやっておらず、その代わりにたまたま目についたので入ってみた店。苫小牧を走る国道36号線のEAT-UP(ファミレス)や山岡家(ラーメン屋)がある交差点を住宅街に向かって折れて、300mほど進んだ右手。踏切よりもちょっと手前です。
 
・老夫婦のお二人でやっているお店のようです。「頑固オヤジ」を絵に書いたような店主さんでした。
・たまたま座った出入口に近いカウンター席の目の前がまな板で、作っている様子がよく見えます。他にもこの後に宴会があるのか、鍋の具材らしき材料がゴロゴロ並んでいました。
 
・出てきたカツ丼は、ご飯→豚カツ→野菜と卵、とクッキリ三層に分かれたハンバーガーのような状態です。もうちょっと各層の一体感が……などと文句を言ってはいけませんね。食べてしまえば皆一緒。自分で混ぜましょう。やたらに熱々で出てきた味噌汁の具の、円柱形の白い物体はいったい何なのか、食べてもしばらく分からなかったのですが、シイタケの柄でした。こういう切り方ははじめて見ました。化学調味料の風味が強烈でこの味噌汁はちょっと。。。 たくあんは手作りのものだと思います。店のおばあちゃんの仕事でしょうか。こちらは美味しい。
・少々割高感有り。店名に『そば』とつくくらいなのだから、そばを注文しておけばよかったかと後になってちょっと後悔。
・メニューがどう見ても手書きで、もし自分で書いたならたいしたものだと思いましたが、やはり専門の作成業者さんがいるのでしょうか。活字よりも風情があって良いものです。

 
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【本】植物的生命像 人類は植物に勝てるか?

2008年02月20日 22時02分58秒 | 読書記録2008
植物的生命像 人類は植物に勝てるか?, 古谷雅樹, 講談社 ブルーバックス B-827, 1990年
・「人類は植物に勝てるか?」 →「おそらく勝てないだろう」 なんとも不敵な副題です。生物種としては哺乳類なんかより植物の方がずっと先輩で、より洗練された生きるための機構を有しているという主張です。
・生命維持のために大きなポイントとなる "光" と "植物" の関係が興味深いです。考えてみると、光をあてただけでエネルギーを生産する(光合成)というのはとっても不思議な現象です。いわば天然の "ソーラー電池"。そんな高度なワザを編み出してまで生命を保とうとするその意志はどこからくるのか? ……って、書き抜きを読み返してみるとP.110で類似の話題が(苦笑)。
・「それでは、「すべての生物を一つにまとめた絵を描いてくれ」と頼まれたら、どうされますか。おそらく、「そんなものは、描けるものか」と断ってしまうことだろう。」p.16
・「それでは『動物』と『植物』を定義してほしいといわれてみると、それも思ったほどやさしくないことにすぐ気づく。」p.22
・「調べる階層によって、生物はすべての生物に共通な普遍的性質と、その種に固有な性質の両面をいろいろな割合で見せるのである。一般に、肉眼で見えるような生命現象に比べて、しだいに取り扱う階層が下がって、分子レベルに近づくほど、生物に共通な性質のほうが顕著になってきて、そこでは物理学や化学の法則がよく合うようになる。」p.59
・「今では細胞周期を、『DNAの複製を行なう時期』(S期)と『核が分裂する時機』(M期)、およびそれらの間にそれぞれ存在する二つの『間期』の四期に分けるようになった。M期の後、S期が始まるまでのDNA合成準備をギャップ1の時期(G1期)、S期の後、M期が始まるまでの分裂準備時期を二番目のギャップ(G2期)という。」p.64
・「この夜あるいは昼の長さの変化によって特有の生理現象をひき起こす光周性は、種子植物だけではなく、藻類や菌類さらには昆虫をはじめ種々の動物にも広く、今では認められている。」p.69
・「動物は個体として一つの統一あるシステムが完成しているので、その複雑な系を作っている一つ一つの素過程を分けて調べることがむずかしい場合が多い。これに対して、植物は個体よりも種の存続が優先する生き方をしているので、個体における形態や機能の分化が弱い。したがって植物を用いたほうが、ある一つの素過程だけを分けて調べやすい。このため、植物を用いたほうが、基本になる現象に気づきやすいので生物全体に共通する法則がたくさんとらえられたと思われる。」p.72
・「すべての生命を支えるエネルギー源が太陽の光にあり、それを生物が利用できる型のエネルギーに変えて受けとめているのが、常に植物なのである。その意味では植物は、動物と違って『他の生物に頼らないで生存し得る生物』といえる。」p.76
・「しかし葉緑体内部の光合成の過程は、ラメラで行なわれる二つの光化学反応(つまり光エネルギーによって水から炭素の還元に必要な水素をとり出す反応と、NADPを光によって還元する反応)と、それにひきつづいて葉緑体内のストロマと呼ばれる液状の部分で行なわれる電子伝達反応、光燐酸化反応、そして炭酸固定反応の暗反応など一連の長い反応系から成り立っている。」p.80
・「この葉緑体の秘密がすっかり解けて、人類が工場で太陽エネルギーを人工的に利用して、われわれや家畜などの食料となる有機化合物を自由に作れるようになったら、その時は人類が生態系における食物連鎖から分かれて、独立に生きていけることになり、人類の立場を大きく変えるだけでなく、他の生物の将来についても、はかり知れない大きな影響を与えることになる。」p.81
・「この節で述べた植物と動物の生き方の違いを例えていえば、植物は囲碁型であり、動物は将棋型である。囲碁では、殺されるとすべてが終わる王様は存在しないし、勝つためには平気で大石を捨てる。また個々の碁石の間には役目の分化は無く、置かれた位置しだいで役割が変わってくる。一方、将棋の王様ははじめから王としての役割が定まっていて、歩や飛車が代わることはできないし、個体でいえば首であろう。首を取られれば一巻の終わりである。したがって、動物的生命は相手の首を取るために、あらゆる策を講ずることになる。」p.87
・「ここでおもしろいのは、動物の発生過程は、例えていえば、テレビや映画のように、一つの画像が現われる時には、その前の画像は消え去って存在しない形式で進行する。どんなに筋書きが長くてもつねに現在の一コマしか見られない。過去の姿は時の進行とともに消え去ってしまう。  ところが、植物の発生は漫画型で、ストーリーをいつでも好きな一ページから読みなおせる。つまり植物の発生のプロセスはすべて自分の作られているからだの中に記録され残されていくので、いつでもはじめから発生のプロセスを見なおすことができる。」p.100
・「人ばかりではない。動物には自分の生命をいちばん大事にするという本能が備わっている。この動物特有のエゴイズムといってよいほどの本能的性質は、一体どこから来るのだろうか。」p.110
・「植物的生き方は、個体の生存よりは『種の存続中心』であるのに対して、動物的な生き方は『個体中心』ということができよう。」p.119
・「植物にだけあって動物にまったくないとか、逆に動物だけにあって植物にはない特徴というのは、実は非常に少ないのだ。植物の暮らしの中にも動物的生き方を認めることができるし、動物も、この本で述べる植物的特徴を多かれ少なかれ持つのがふつうである。植物的生命像というのは、植物にとくに強く現われると私が考えた生物の性質という意味である。」p.120
・「すべての生命に共通な性質があることは、今までに何回も述べた。しかし、不利な環境条件に遭遇した時に見せる生物の応答を見ると、動物的生命と植物的生命の間には大きな違いが認められる。」p.122
・「エアコンした部屋の中で夜ふけまで電気をつけてジャズを聴くような『人間型生き方』と、春一ヶ月だけ地上に姿を出し、あとの十一ヶ月は種子として休眠しているような植物的生き方という二つの極限を比べた場合、どちらが将来有望な『株』だろうか。私が投資家だったら、種の保存という将来性からいえば、少なくとも人間型生き方には投資しないことはたしかである。」p.124
・「この1952年に見出された『赤・近赤外光可逆的反応』は、その後、植物の発生や成長や分化などのさまざまな過程に広く関係して、環境の光情報を植物に伝えるたいせつな役割をしていることがわかってきた。」p.140
・「植物の眼のほうが、われわれの眼よりも、もっと広い波長範囲の光で外界を見ているなどと、今まで思ったことがあっただろうか。」p.151
・「細胞内構造のレベルで動物には見られないような運動や調節が行なわれることによって、植物細胞は、すぐれた外界検知能力とフィードバックを備えた『統一性を持ったシステム』になっており、オーガネラのレベルで、環境の刺激に対応するすばらしい調節機能を持っている。  これこそ植物的生命の特性であり、植物は動かないという常識は、人間自身のスケールからきた誤った常識といってよいだろう。」p.190
・「植物の遊泳細胞は、藻類でも菌類でもすべて鞭毛を細胞の先端で動かして進行する(図45)。つまり飛行機型で動くが、動物では精子の例でよくご存知のように鞭毛は細胞の尻尾についており、その動きによって後から細胞を推す型で進む。つまり船型なのである。なぜ、植物と動物で逆の向きになったのかは、今のところだれも説明できないけれども、長い進化の道のかなり昔に分かれた性質に違いない。」p.194
・「植物の中には、セコイヤメスギや屋久杉のように何百年も一つの個体が寿命を保つ樹木がある。それらは、とても大きくて強そうに見える。しかし、植物の世界の中では、実は彼らはむしろ時代遅れの植物マンモスなのである。」p.212
・「救いの神がよそから来て、迷える人類を助けてくれるはずはない。われわれの生存に対する救いの神は、われわれ自身の「理性」なのである。」p.240

?ゆうずうむげ【融通無碍】 一定の考え方にとらわれることなく、どんな事態にもとどこおりなく対応できること。
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▲閉店【食】はちや [ラーメン@室蘭]

2008年02月20日 08時02分34秒 | 外食記録2008
▲閉店 いつの間にか閉店 [2014.12.31記]
はちや [ラーメン@室蘭][室蘭タウン]
2008.2.2(日)11:35入店(初)
注文 みそチャーシュー 750円

 
・ネットでその存在を知る。行ってみてはじめてその店の存在に気づきました。室蘭本輪西の旧道沿い、場外馬券売り場のそばにちんまりとあります。座席数約15の小さなお店。地元ではわりと有名らしいです(私は知りませんでしたが)。
・駐車場は無さそうです。
・店名はご主人の苗字が "蜂谷さん" であることからきているようです。入口に表札がかかっていました。
 
・出てきたラーメンはとってもホッとする味でした。これなら毎日食べられる感じです。何十年も前からずっとその味を保っているのではないでしょうか。とは言ってもそんなに昔からある店なのかどうかは知りませんが。麺はやや柔らかく、白くて細めの麺。ご飯を頼んだわけでもないのに何故かたくあんがついてきます。チャーシューは五枚。丼は内側にギザギザのついたすり鉢でした。
・この店でしか食べることのできない独自の味。一度試す価値あり。
コメント (1)
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チェロの弦とテールピースの交換

2008年02月19日 22時02分00秒 | 日記2005-10
●自らが所有するチェロの弦とテールピース交換の記録
・購入より約1年経過したところで他の弦を試してみる。そして、
このテールピースは替えた方がいいよ
触る人たちに言われ続けていた、不評の木製テールピース+金属製アジャスタを、金属製のアジャスタ一体型テールピースに交換する作業を、暇を見つけて先日やっと行いました。
・以下は素人が勝手にやっている作業なので、間違った事をしでかしている可能性があります。その点ご注意ください。
 
・チェロ本体は2006年末にクライスラーミュージックで購入した『Cao工房 750E チェロ モンタニアーナ 1739 Sleeping Beauty モデル』(当時30万弱)。
・旧弦は全弦Obligato[写真左]。以前D線のボール部分がはじけ飛んだため、アジャスタに直接結わえ付けてあります。貧乏臭い見た目でかわいそう。新弦はA・DがLarsenでG・CがSpirocore(クロム) [写真右]、総額13377円ナリ。どうか切れずに末永く使えますように。
 
・駒の位置を付箋紙でマークしておき、弦を取り外し。取り外した後に、楽器によってはちょっとゆすっただけで魂柱がパッタリ倒れてしまうことがあるので、楽器を傾けたりしないよう出来るだけそっとしておく。駒の足の跡を見ると、頭寄りに力がかかっている様子。駒が傾いて立ってたようです(←よくない)。
 
・左写真は上が旧、下が新しいテールピース。重量を計ってみると、旧125g、新70gで、その差55gでした。この程度だと取るに足らない重量に思われるかもしれませんが、バイオリンの弓が一本60g前後なので、弓一本分違うと考えると結構なものではないでしょうか。左は新テールピースの裏面。ヤフオクにて約800円の格安で入手した物。安物なので、音のビビリなど発生したりしないかちょっと不安。
   
・チェロのテールピース交換作業は今回が初めてでした。中でも上手く出来るか一番不安だったのが、エンドピンとテールピースをつなぐワイヤの交換です。ネジ式の金属部品を一度取り外さなければ交換できないのですが、ワイヤ(ナイロン製?)の尖端が熱で潰してありました。これは元に戻せないので、先端部分を爪切りで取り除きました。金属部品は素手でひねれば回る程度の硬さ。付け替えた後は、真似をして一応熱処理を。始めは熱したフライパンの底を押し当ててみましたがさっぱり溶けず、ライターの火で直接あぶると溶けてくれました。思ったよりもすんなり交換完了。本来ならワイヤを楽器に合った長さに調整すべきでしょうが、その辺はよく分からないのでそのままに。

・手始めに弦を2本ゆるく張っておき、駒を立てる。途中、駒をバッタリ倒してしまうような、もしもの時のために(経験有り)、テールピース下に傷防止のためタオルを敷く。弦が頭方向に巻き上げられていくことを計算に入れ、駒はエンドピン側にやや傾けて立てる。少しずつ弦を巻き上げながら駒の角度を微調整。

・ここまでの作業時間約50分。トラブル無く終了。様子見のため、まだ弦はゆるく張っているだけ。心なしか楽器が軽くなったような?? 弦が太いので音程が落ち着くまでには数週間かかるでしょうか。まだ音を出していないので、その時が待ちどおしいです。

【参考リンク】
クライスラーミュージック
http://kreislermusic.ocnk.net/
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▲閉店【食】肉料理ラヂオ [洋食@室蘭]

2008年02月19日 08時03分14秒 | 外食記録2008
▲閉店 [2010.4.10記]
肉料理ラヂオ [洋食@室蘭][Yahoo!グルメ]
2008.1.31(木)18:05入店(初)
注文 ポークチャップデミグラスソースかけ 1480円

・何の気なしに通りかかった路地で偶然発見。「こんなところにこんな店が!?」 予定にはなかったのですが、『肉料理』にひかれて寄ってみることに。
  
・(室蘭の)中島公園の四隅のうち東室蘭駅に最寄の隅のそばの、目立たない場所にあります。駐車場は、細い路地を通って建物の裏手に回ると三台ほど停められます[写真・右]。

・裏口から店に入ると、店員さんが客席で談笑中。私を見ると散って行きました。すいません、おじゃまします。店内は変わった形のイスやテーブルがあったり、ちょっとオシャレな雰囲気です。BGMはJAZZ。同名の飲み屋が中島(室蘭の飲み屋街)にあったっけなぁ、と思ったら、どうもそれが移ってきた店のようです。

・ライス・パンは別。そんなにお腹は空いていなかったので、肉のみ単品で注文しました。
・それにしても待たされた。出てくるまでに約30分、そして5分ほどで完食。基本的にステーキ屋というよりは、肉料理とお酒をゆったり楽しむ上品な飲み屋さんという雰囲気でした。一人で行ってお酒やおつまみを注文しないと、ひたすらボーっつと待たされることになります。
・出てきた肉は厚さ約2センチの食べごたえのある豚ステーキにマッシュポテトとトマトの付け合せ。肉、ソース、焼き加減いずれも特筆するほどのこともなく、あえて言えば器がちょっとよかったです。しかし、ステーキといえばジュージューいってるアツアツの肉を食べるところが一つの楽しみだと思うのですが、こちらの料理はぬるめで物足りなく感じます。これにライス、スープ、サラダがついて1480円、または肉単品で980円ぐらいだったら十分満足な料理ですが、少々割高感があります。

 
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祝☆アクセスIP数 1500 ip/週 突破!

2008年02月18日 08時02分42秒 | 日記2005-10
 じわじわと増えつづけていた当ブログのアクセスIP数が、1500 ip/週(ぴったり!)に届きました。一日平均200人強の方々が見に来ている計算です。こんなにたくさんのご来場ありがとうございます。
 次の目標は2000 ip/週。今のペースだと達成は年末でしょうか。
 では引き続き、『ぴかりんの頭の中味』をよろしくお願い致します。

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※ランキングは、1000位までが表示されます。

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