魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

泡の儚さ

2008年01月10日 | ワイン ~2019年
本日は泡の試飲です。

NV クレマン・ド・ブルゴーニュ(ポール・ドレーヌ)
  (フランス、ブルゴーニュ、白、2千円台)

新年の乾杯用に用意しておりましたが、不幸があってあける気にならず、
さりとて試飲はせねばならず、といった事情で今晩飲んでおります。

どうも泡ものはめでたいお祝いのイメージがあるので、ためらってしまいました。

泡の細かい上がり方はとてもきれいです。
ブラン・ド・ノワールとなっているので、ウェイトを感じる厚みのある香りです。
シトラスやさわやかな青リンゴやキウイ、揮発性や軽いミネラルが香ります。

気圧と泡はある程度出ている感じですが、そうトゲトゲしくもなく、
切れも穏やかでしょう。コクもそう強くはなく、ほどほどで、むしろ
親しみやすいかも知れません。

ビールよりは気が利いているとは思いますが、やはり泡はあまり個人的には
向かないのかなあ。ドンペリくらいになると“さすが!”とは思いますが、
現実では同予算で赤ワインを買ってしまうでしょう。

でも案外儚いのかもしれません。今の気分は忌中でもあり「はかなさ」です。
そうだとすると美学はありますね。
もう少し違ったワビサビのスタンスで見ると面白そうです。
一般的な「華やかさ」でなく立ち昇る泡の繊細さ、儚さを感じるのなら好きかも。

こちらの気分で、泡ものの見方を変えてみると、違った一面を感じました。
「めでたい」、「華やか」、ばかりの一面性だけで今まで見ていましたが、
見かたや趣を変えることによって違った感性があります。

やはりワインは味わい深いものですね。


コメント
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