魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

コルクという魔物

2016年07月24日 | ワイン ~2019年
さいさき屋。
気になっていたメニュー食べてみました。暑いので冷たいのね。



メニュー写真とどっちがよか?

野菜が多いのが良さそうなイメージ。



他にも清酒の飲み比べが楽しそうです。






夜も暑いので白ワイン。

このワインを開けました。



「Lirico リリコ」です。(写真は数か月前のです)

私のデイリー白なのですが、今日はちょっとトラブルです。

ひねていました。色も黄金色が濃くて香りもまったく違いました。
完全にひねた状態です。酸化劣化だと思います。何本も飲んでいるのですぐに分かりました。


そこでコルクを調べてみましょう。
比較のために健全だったボトルと、傷んでいたボトルとを並べてみました。

長さは安ワインらしく3.5㎝です。(超短い!)



ボトルの中の方の状態。






そしてこちらがボトル上部の状態。


どちらが健全で、どちらが痛んでいたボトルかお分かりでしょうか?



正解は左が健全なボトル、右が痛んでいたボトルです。


このふたつの写真ですが、コルクの表面がガサガサ、デコボコ状態なのはやはり良くないのです。
ひねた原因はコルクの隙間を通して空気が入ってしまったためでしょう。

左側のコルクは、少なくとも片側はしっかりときれいで、目が詰まっていて隙間を
感じさせません。(安コルクでもそれなりにがんばっていた)




どれだけ造り手が一生懸命ブドウを栽培し、美味しいワインに仕立てても、コルクひとつで
良くも悪くもなるのです。もちろん質の良いコルクを使うと経費は掛かります。
名産地でもなく、知名度もなく、高く販売できない造り手は経費を抑えないと経営出来ないので、
コルクも安いのを使わざるを得ません。

すると、こうして本来の味とはかけ離れたワインになってしまう可能性があります。

私が試飲して、安くて美味しいと思ったワインが、いざ、お客様が飲む時には、
その誤差で、まったくもって違った味となっていたりするわけです。

恐いですね。



ちなみに過去にも同じような例はいっぱいありました。

私も同じワインを飲み続けたことがあります。とある赤ワインは個人的に約15ケース
(180本)ほど飲んだ経験があります。
その時に、同じワインなれども、いろんな状態があることを勉強いたしました。


同じワインでも、置かれていた状態、どんな環境を経てきたか、違うタンクや違う樽に
よっても異なります。さらにコルクの質によっても変わってきます。
ほとほと難しくてまいってしまいます。


これがワインです。
そうとしか言いようがありません。

ただし良いコルク商と付き合い、質の良いコルクで詰めている造り手は(当然結構お高い
ワインを造っている)、誤差の範疇は少なくなります。いっそ合成コルクやDIAMコルク
などの方が安全です。

いろんなコルクの話はちょっと前に書きましたのでこちら(クリック)をお読みください。

コメント
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