たまには真面目にワインのおはなし。
輸入元からのブルゴーニュワインの案内メールがとても興味を引きました。
とある造り手のワイン案内ですが、
「ビオディナミ中断という英断を経て、たどり着いたピュアな果実味」というタイトル。
「ビオディナミ農法」というのは月の運行に従って作業する有機農法とアバウトでお考えください。
何々と読んでみると・・・
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2003年に栽培においてはビオデナミへの移行を図ったのだが、ブドウの樹々が時には疲れていることに
気付けなかったのか、ビオディナミ下ではただでさえ多くは期待できない収量はどんどん減って行き、
畑全体の立て直しが必要であるという結論に行きつき、ビオディナミ&有機栽培認証を2016年に中断した。
そして、2016年12月からは新たなワインメーカーが着任。コンサルタントも変わり、新たな出発。
彼らの哲学は、幅広いアペラシオンの各区画のテロワールを、ピノ・ノワールとシャルドネを通して表現させることであり、
爽やかでフレッシュな果実味とボディを兼ね備えたバランスの取れたワインを造ること。
テロワールとその環境を尊重するブドウ栽培の実現に向けて情熱を燃やし続けており、疲れた土に
生命力が戻ってきたと確認できた数年前より、徐々に有機栽培の区画を増やしている最中です。(要約)
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こういうことらしい。
「ビオディナミ=正義」と単純な括りで考える人には、少し頭をかしげたくなるようなおはなし。
この造り手は、多くをラドワ、サヴィニー、アロース・コルトン村などの畑を所有しており、
ヴォーヌ・ロマネとかシャンボール・ミュジニー村とか花形の有名な場所ではありません。
そんな造り手にとって「ビオディナミが何ぼのもんじゃあ~い!」的方向性なのでしょう。
収量が上がらなければ暮らしていけません。生産が出来なければすべてが無理。
「補うものは補わなきゃやってられない」ってことですね。
すぐにビオディナミ農法じゃなきゃ、有機ワインじゃなきゃダメ!みたいなステレオタイプの
見方ばかりが正しいわけではないんですよねえ。
元々、ビオディナミ農法というのは土地の活力が弱ってきたから考えられたもので、
決して「人体に良いから」とか意識高い系のものではないです。
農薬を減らすことは確かに悪くはないかも?ですが、それは人体ではなく土地、地質に対して向けられたものです。
いつの間にか人間に対して、という違うベクトルに進んでしまって誤解している方が多いと思います。
良いワインを造るための方策であって、人間の健康のためではないのです。
おお、今日は真面目だった。
さあ、美味しくワインを飲もう!