どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

家出した猫の真実(中)

2008-12-07 02:43:39 | 短編小説
 「白亜」は、夢を見ていた。広い草原を全速力で走っている情景だった。  目の前には、草むらから飛び立ったばかりの鳥がいる。雉に似ているが、アフリカの野鳥としか説明できない逞しい鳥だ。  なぜ、夢を見たのか。  「白亜」には思い当たることがある。  主人と一緒にテレビを見ているとき、夢の場面とそっくりの映像が流れたのだ。画面の主役は「白亜」ではなく、ヤマネコだった。  広がった胸と前肢がクローズアッ . . . 本文を読む
コメント (1)