どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)60 『夜の旗』

2011-11-07 01:14:51 | 短編小説
    (夜の旗) 義妹夫婦が帰ったあと、聡子は台所の片付けをしながら、ひとり思い出し笑いをしていた。「なんだ、どうしたんだ?」 骨董品を対象にああだこうだと鑑定する人気番組を見ていた正人が、ゲストのタレントに笑いの原因でもあるのかと問いかけの視線を投げかけた。「いや、そんなんじゃないの。千恵子ったらとんだおっちょこちょいなんだから・・・・」 終いまで言わずに、聡子はまた笑った。「一人だけ笑ってい . . . 本文を読む
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