どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

新むかしの詩集(16) 「八月の声」

2012-01-26 00:28:11 | ポエム
     追憶      「八月の声」   燃えおちた太陽の余熱が地にあふれ   上昇する大気を侵して   むらさきの闇が滲みはじめる   八月のある夕暮れ   稲田の一隅に湧いた蛙の声は   またたく間に平野を埋めつくした   濃く淡く和するに似て   耳を澄ませば   ぶつかり、傷ついている大地のうめきだ   あぜ道を疎開者の父と子が歩いていた   子がさし . . . 本文を読む
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