どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)116 『夢遊病者の治癒歴』

2016-06-06 01:44:17 | 短編小説
    俊介が夢遊病者であることは、彼自身承知していた。  七歳の夏、田舎の縁側から庭先に向かって放尿するつもりで、廊下の突き当たりの壁にひっかけていた。  すぐに夢を見ていたことに気づいたのだが、おねしょではなく寝床を抜け出しての行為なので少し不安を覚えた。  それでも、庭に向かって思いっきり放尿したと思い込んでいたときの快感は忘れられない。  それ以来、夢の中の行 . . . 本文を読む
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