どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)121 『月夜と黄金虫』

2018-11-23 10:37:58 | 短編小説
   小市の家では、ジイちゃんの寝床を囲んで家族のものが不安そうに顔をよせている。 「もうそろそろ町田先生が来てくれる頃なんだが・・・・」と父。 「ずいぶん苦しそうね。見てるのつらいわ」と母。「・・・・ヨシコ、お前はもう小市を連れてリビングに戻りなさい」  うながされて、ヨシコは一瞬とびのくように跳ねた。  立ったまま覗き込もうとしていたところなので、重心の掛け方がちぐはぐにな . . . 本文を読む
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