どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

真夏の怪談 その1 『市ヶ谷のすすり泣き』

2024-05-26 03:49:00 | 短編小説
市ヶ谷駅は僕がよく利用した駅である。 夏の深夜、大急ぎで改札口に降りていくと頭上から人のすすり泣く声が降ってきた。 声の主はたぶん女性だろうと気になったが、こちらも電車に乗り遅れる心配があったので確かめることなくホームへ走った。 何日か経って市ヶ谷駅のすすり泣きのことが週刊誌に載っているのを中吊り広告で知った。 早速買って読んでみると、僕が体験したよりも大分前から噂になっていたらしい。 . . . 本文を読む
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