さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

イメルダ夫人現る ~韓国の旅その2

2011年12月02日 | 海外もろもろ

 宴もたけなわのころ、店のおかみが入ってきた。短い金髪のオールバック、金縁のメガネ、原型を想像すら許さない厚さ2mmの厚化粧。これはイメルダ夫人だ。。。 入道雲のように湧き上がるこちらの恐怖心にもお構いなく、この親玉はゾッとする微笑をたたえながら口をきった。


   それではこの店のルールをお知らせします。隣の女性がお気に召しましたら、
  ホテルの部屋番号を教えて下さい。花代(初めて聞いた言葉だが、意味

  わかった)
として3万円頂きます…。


 こちらは絶句するしかない。思いもよらぬことだったが、ここは売○窟だったのだ…。あとで合点がいった。選ばれずに帰った女性たちから聞こえた溜息は、遅くまで待って客がつかまらなかった落胆の意味だったのだ。


 いやそういう気はないんですけど…。


 是非かわいい女の子たちと遊びなさい。


 (困り果て)来月こいつは結婚するんで、そういう遊びはまずいんですよ。
  ~と3万円しかもってこなかった(じつに全財産!)向かいの友人を指さしてウソを
つく。


 韓国ではね、結婚したら浮気はしないので、結婚前にはみんな遊ぶんですよ。
 だから遊びなさい!!! 
(ウソくさ!)。


 いくら断っても引く気配の微塵もない厚化粧。となりの女性は胸元の中を見せて(ほら、どう?)などと誘ってくる(一応見る(^益^;。いよいよ大ピンチ。


 あの~、われわれ、ホテルは3人部屋なんですけど…。


と言ったところで、金髪夫人は顔色を変えて絶句した。


 なにっ!3人部屋なの?! 호다딩의 해크사뚝 로히우섰!!!!
                   
↑(念のため、デタラメです)


 途中から韓国語に変わり、横のチョゴリ娘たちに恐ろしい形相でまくしたてる怪物。その声を聞き、顔色を変えたお嬢さんたちに「何て言ってるの」と聞いてみるが、「ううん、なんでもナイナイ」とひきつった笑いを浮かべるだけだ。言葉はわからなくても、「こいつら返すんじゃないよ!」と言われたのは、はっきりとよくわかる。


ソウルのあやしい夜 ~韓国の旅その1

2011年12月01日 | 海外もろもろ

 これは初めての外国旅行のこと、なつかしい波乱に飛んだ思い出の旅日記である(以前は海外旅行でもカメラを持って行かなかったりしたので、画像はありません)。同僚の友人に旅行会社の社員がおり、パンフレットをよこして3人の旅を提案してきた。ソウルの一流ホテルに宿泊し、空港からホテルまでの送迎つき、最初の晩には豪華な韓国料理の宴会まで入っているという。しかも格安な料金のところを割引までしてくれるのだ。焼肉でもたらふく食ってくることにしようか、と3人で盛り上がった。

 とある春先の週末、ソウル行きの飛行機は、だいぶ遅れて空港に到着すると、出口に旅行会社のお姉さんが「○×様御一行」の看板を持って待っている。長い時間、知らない人を待っている大変な仕事だ。こちらは楽ちんである。ワゴン車に乗せられるのは、われわれ3人の他に、中年のオヤジひとりの計4人であった。時刻は午後9時を回っていたので、案内の女性は「遅くなりましたので、宴会は明日に変更しても結構ですけれど」と言ってきた。しかし腹も空いているし、明日は焼肉屋にでもくりだそうと考えていたので、このまま予定通りにしてもらうことに意見は一致した。車が走り出すと、中年オヤジは狭い車内でパイプを吸い出し、われわれに話しかけてきた。整髪料がべっとりの横わけ、大きな黒縁の眼鏡に鼻が異様にデカい。

 君たちは韓国初めてかね。わたしに言わせるとね…

と自慢話が始まった。相づちをうつ代わりに、「その変装メガネはずせよ」と言いたくなるのをこらえるのがやっとだった。

 さて宴会場についてみると、これがびっくり、高級料亭の雰囲気である。立派な門をくぐり抜けると、中は庭園になっている。奥の建物の入り口には蝶ネクタイの店員がずらりと並んでおり、通るときにはおじぎをする。こちらはリュックサックにラフな格好だ。ちと場違いな空気。縁側を進んでゆくと、床の間つきの豪勢な宴会部屋に、すばらしい御馳走が並んでいた。赤坂の料亭もこんなものなのかな、と想像する。格安パックの威力には驚くべきものがある。

 4人で卓につくと、ナント!きらびやかな民族衣装チマ・チョゴリを着た女性が20人ほども部屋に入ってきた。そして案内の女性が、「お好みの女性をひとり選んでください」と言うではないか!

   *゜゜* 照れる ^^; 

 オドオドしながらも、いちおう選ぶ 向かいに座ったシャイな友人は、下を向きながら「一番はじの人で…」とつぶやく。見てねえー!選ばれなかった人たちは、微かなため息とともに出ていった。

 選んだ女性はそれぞれ横に座る。そういうわけで、隣に座布団が置いてあったのか、と納得する。おしぼりを手渡してくれたり、酒を注いでくれる。慣れていないので大変照れる。カニをほぐしてくれる。しまいには「あ~ん♪」と口に入れてくれる。いくらなんでもやりすぎじゃないか?しかし初めての外国旅行、こんな立派な料亭も初めてだ。なすすべもありゃしない。向かいの友人が「あ~ん♪」されているのを見て笑ってしまう。そいつも「お前だって同じだぞ」と半分怒りながら笑っている。

 その女性たちは、日本語をよく話す。「ねえ、韓国語知ってる?」と聞くので、ひとつだけ覚えていた「カッカジョセヨ!(もう少し安くなりませんか)」を披露すると、座は笑いの渦となる。さてこんなたわいのない世間話が続いていると、予想だにしない「事件」が起こったのであった…。

次回に続きます~^^;