JR代行バスは、定刻より10分ほど遅れて原ノ町に到着しました。遅れの原因は常磐線が
強風のために徐行運転をしたからです。ここから北へ向かう電車には間に合ったな、と
思っていたら、これから乗る電車もなんと30分の遅れということでした。
今回の行程をおさらいしておきましょう。水戸の翌日に富岡に泊まり、そこからは
電車が不通になっているから代行バスで原発を通過し、さらに北上して岩沼で
乗り換えだ。宿泊地は白河。富岡から白河へ行くにはいわきまで戻ってバスで行く
のが一番早い。しかし常磐線を突っ切って原発を通過するというのが旅の目的だから、
そうなると常磐線で岩沼まで行って、今度は東北本線でずっと戻ってくるしかない
わけだ。朝に出て夕方まで移動の「乗り鉄っちゃん」となるのです。
岩沼では、駅から10分ほど歩いたところにレトロな食堂があるというので楽しみにして
いたのである。昭和な雰囲気に浸ってビールを飲んで、それからナントカ定食でも
食べようかと思って、ホテルの朝の悲しいバイキング料理はあまり食べなかったのだ。
しかし乗り換え時間は1時間。到着の電車が30分遅れじゃあ、行けないじゃないかー!
やっと来た電車は津波でやられた海岸沿いを北上します。新しい家がぽつんと寂しく
建っていました。
とある駅前。津波でほとんど更地になり、電車は高架線になって、町が出来始めている。
被災地にありがちな新築の家が並ぶ町並み。老人にはコミュニティを作るのが難しい。
さて岩沼に到着。やはり30分では、駅から徒歩10分の古い食堂に行くのは無理だ。
しかし駅前には食堂どころか商店らしきものもない。住宅地で、商業地区は離れて
いるのかなー。幸い(?)駅には売店があり、さえないコンビニおにぎりを2コ買う
ことが出来た。駅のベンチでひとりそれを食べる。侘しいなー!
電車も徐行になる程の強風が吹き荒れている。なので花粉症がものすごいことに
なってしまった。こんなときに連日外を歩き回っているわけだからなあー。鼻から
目から、水が絶え間なくしたたり落ちる。ずっとだよ。
ハンカチは2枚必要だったなあ。涙と鼻水を同じハンカチでぬぐいたくない。しかし
どちらもきっと同じ成分だぞ。なにせ鼻水も完全にサラサラで粘り気ゼロ。両方が
ずっとタラタラ出っ放し。同じ人間だから、桐谷美玲だとか佐々木希といった美女も、
こんなふうになったりすることもあるんだろうなあー。
鼻はかまない。タラタラ滴り落ちてくるので、ハンカチで押さえるだけだ。ハンカチに
丸く滲みたあとが残る。場所を変えて鼻にあてる。ずっとなので、だんだんハンカチ
全体が濡れてくる。広げてみると、まだら模様。空気は乾いているし風も吹いている
から、広げておけばわりとすぐに乾く。ねっとり感ゼロなので、乾かしてまた使える。
しかしバッグの上にでも広げておくと、まだら模様を人に見られるのは恥ずかしいぞ。
岩沼から福島、郡山を通過して白河まで。切符を買うとき、「新幹線は乗らないん
ですか?」と聞かれる。俺はガンバレ、ローカル線!なのである。新幹線はやたらに
高いし、おかげでローカル線が不便になることはなはだしいしなあ。
ローカル線の本数は少ないし2~3両編成だったりするので、大変混んでいる。
長時間を立っていては辛いよ。幸い、まず福島までは座れた。福島では次の郡山行き
まで45分待ち!遅れもあってダイヤは乱れていたから、実は岩沼でゆっくり食堂に
行っても同じ時間だったのである。がっくり。
まずはホームの一番はずれにある灰皿まで延々と歩いて一服。そらからシッコをして、
さえない売店も見て、発車までまだ20分もあるなあ、と思いつつホームに降りたら、
そちら方面の電車がホームにいるではないか。ぎっしり満員。なんと前の電車が
30分以上遅れてまだ出発していなかったのだ。かわいい女性の車掌さんに「乗って
下さい。すぐに発車しますよ!」と促されて乗った電車は郡山へ。
ダイヤが乱れた思わぬ展開で、遅れていたのに前の遅れた電車にすべり込み、予定より
むしろ早く到着するのではないか、という結果になりそうであった。
混んだ電車で、ヲヴァ~サンがなんだか人をかき分けて車掌さんのところに行った。
その後「病人が出たので次の駅で止まります」というアナウンス。救急車を呼んだので
あった。病人を降ろしたらすぐに出発するかと思いきや、そこは無人駅。駅員がいない
のである。なので「救急車が来るまでお待ちください」というアナウンス。
無人駅というくらい寂しいところだったから、遠くからピィ~ポォ~♪と聞こえてくる
までゆうに15分以上はかかったか。それから救急隊員が駅の陸橋を渡ってきて、次に
担架を用意して運んでくる。そして病人を運んでまた陸橋を渡って駅の外に出ていった。
電車はそれをお見送りするまで出られないのであった。30分以上はかかったか。
結局だいぶ遅れての白河到着。朝から電車に乗って、もう夕方だ。昼飯は悲しい
おにぎりだったし、なんか疲れたぜ。夜は「おふくろの味」が看板の古い居酒屋が
あるので、そこで取り返すぞ!