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気が付くともうお昼前になっていました。今日は何を食べようかと悩みつつ駅までの道を下りていきます。ふと千里山団地の周囲の生け垣に目をやると、まだ梅雨は明けないようですが、この短い晴れ間に一斉にセミの羽化が始まったらしく、その葉裏には数多くの抜け殻が残されています。中にはどう迷ったものか歩道フェンスのコンクリートによじ登り、羽化をしているセミも何匹かいます。
毎年のことですが、セミの抜け殻を見るとそのシンボリックな生の営みを想います。何年もの長い間を土の中で過ごし、地上に出てからの一週間ばかりの生命を、懸命に燃焼させるというその物語を自分にあてはめて想像したことは有りませんか? 自分はもう羽化しているのだろうか、或いはまだ土の中にいるのだろうかなどと‥‥。羽化しているのだとすれば、もうわずかの時間しか残されていないのではないか、自分は懸命になって最後まで生ききれるのだろうかとか‥‥。
目を凝らすとすぐ側に芙蓉のつぼみが脹らんで、これも生命の夏を迎えようとしています。