写真の帯にあるように共著者の一人である山崎養世さんは、2002年より高速道路無料化を提言してきており、民主党により政策実現に向けて現在地ならしが始まっています。そしてこの『環東京湾構想』についても鳩山首相はその大構想を検討提言の一つと位置づけているようです。
これから加速度的に高齢化の進む地域として都市をあげ、その中核である東京圏が時代に適応した形へ変革していくことを求めています。また中国やインドなど新興アジアの時代を見据え、その発展を取り込みながら日本や東京圏の成長と豊かさを実現させる都市作りを、東京湾を環状に繋げる交通ネットワークや周辺地域開発、そして自立都市(太陽エネルギーや食料など)やコミュニティーの在り方まで多層的な構想が繰り広げられます。
羽田国際(アジア)空港や第2アクアライン、また地域内を短時間で結ぶリニアモーターカー建設や外国人・企業の受け入れ環境の整備など、我が大阪の橋本知事の語るWTC府庁移転を中心とした未来図を彷彿とさせる再開発事業が並びます。もちろん大きな開発投資を必要とするものばかりだと想われますが、30年100年先の成長を見越した日本の構造改革に着手することが今こそ必要だと説かれています。
民間債権を募るか国債発行による公共インフラ投資は、デフレ下にこそ必要かつ有効な経済政策と言われるなかで、禁じ手と言われてきた政府紙幣や日銀による国債買い取りなども噂されていますが、金融モラトリアムなど従来では考えられなかった大胆な政策を打ち出している鳩山民主党であれば、近い将来へのビジョンとして十分に考えられるのではないでしょうか。
※ 国交省の羽田・成田の併用案は良いと思います。でも東京圏だけではなく関西の国際空港も、日本全体の戦略として真面目に考えて貰いたいものです(関空はこれから成長するアジア優先でも良いのでは)。森田・橋本両知事と前原大臣それぞれ思惑の違うコメントの中で、昨夜のニュースで鳩山首相は「羽田・成田そして関空もWinWinWinの関係で行きましょう」と言われていましたので、鳩山政権にトータル日本としての基本的なビジョンはあるようには想われましたが‥‥。
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