阪急グループの創始者で関西の生活・文化の開拓者として知られる、小林一三の茶人としての人間性を紹介する『茶人逸翁』展が開催されています。会場は池田駅近くの新・逸翁美術館で、以前の旧宅を使用した場所は改めて小林一三記念館となる予定です。旧・逸翁美術館には一度訪れその業績とともに、貴重な茶道具などを見学したことがあります。
また、僕の住む千里山駅のある千里線は後に阪急に組み入れられたのですが、その北大阪電鉄開発に当たり貢献された山岡順太は小林一三を大いに参考にしたはずです。現在、山岡が学長を務めた関西大学の簡文館で『山岡順太・倭 父子展』が常設展示されています。
小林一三と言えば以前、NHK教育『知る楽』で「鉄道から見える日本」(YouTube動画)というテーマで、五島慶太・小林一三といった東西の大起業家を比較し、その考え方の共通点や文化の違いを解説していました。
「東急」と「阪急」という東京と大阪を代表する二つの私鉄の比較を通して、東と西の鉄道のあり方の違い、そこに現れている文化の違いについて考える。「阪急(阪急電鉄)」を創業したのは小林一三。「乗客は電車が創造する」と沿線に宝塚歌劇団や百貨店を作り、一大文化圏を作り出した。小林は生涯、反官独立の姿勢を貫き、その徹底ぶりは、今でも駅の乗り換えに表れている。阪急からJRに乗り換えるには、いったん外に出て、切符を買い直さなければならない。一方、「東急(東京急行電鉄)」を創業した五島慶太は、小林の指導をあおぎながらも、徹底して「官」の力を借り、事業を広げていった。阪急・小林、東急・五島の違いを探りながら、東西の文化の違いに迫る。【西の阪急、東の東急】※ 小林一三の官に対する民間主導の意気込みには尊いものがありますが、そのおかげで阪急梅田駅からJR大阪駅への連絡が半永久的に不便だというのも如何なものかと思われます‥‥。