阪神・淡路大震災の時も、そして東日本大震災・津波の被災者の方たちの間でも、歌われ続けている名曲『上を向いて歩こう』の特集「上を向いて歩こう ~日本人の希望の歌 その真実~」が昨夜NHKで放送されました。
番組の中では作詞に込められた永六輔さんの60年安保闘争当時の挫折した想い出や、歌手の坂本九さんの親しさ溢れる明るさとアメリカン・ポップスを吸収した独特の歌唱について、関係者の話や初めて公開される貴重映像などを交えて興味深く綴られていきます。その中で特に音楽家の中村八大さんの豊かな才能と人生に焦点が当てられていました。
また、服部克久さんが『上を向いて歩こう』の楽曲分析をされていましたが、A-A-B-Aという当時アメリカで流行していたスタンダードな曲の構成や、アジアンな5音階を使いピアノの黒鍵だけでメロディーが作られていて、日本人にも親しみを感じさせ同時に世界でも個性的な印象で響いたのではないかということです。またコードはジャズをベースにアレンジされているなど、かなり理性的に楽曲の発想が練られていたことも解説から良く分かりました。これにはソングライターの端くれとして僕にも興味深いものがありました。
若き日の手書きの紙片に記された「中村八大は後の時代にも生き残る」という想いを見ると、明るさの中にも悲しさを感じさせるメロディーと歌声が、苦しみの中にいて希望を求める人達の心を時代を超えて捉えるのを、中村八大さんは予想しまた願っていたことを強く感じました。
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