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童謡の本と人

2014-01-25 17:00:52 | 作詞・作曲

 ちさと図書館の音楽関連コーナーで童謡の本が4冊置かれていたので借りて一気に読んでいます。
 4冊ともに明治時代の西洋音楽の導入期に作られた唱歌から、大正から昭和に掛けての童謡運動により生まれた名曲、またそれらに関わった人にまつわる興味深いエピソードに満ちた読み物となっています。
 以前に同コーナーで見付けた中山晋平さんや中田喜直さんの評伝を読み、以前から親しんできた作品の作られた状況や背景を知るにつけ、他の童謡のことについてもいろいろ知りたいと想うようになりました。
 読売新聞日曜版の連載から読者の反響や要望により刊行された本や、3代にわたる童謡作曲家が著した本など、それぞれに少しずつ語り口や解釈・諸説の違いはあるようですが、重複するというよりも多角的な情報として大変に面白く読んでいます。
 例えばあの『蝶々』のページでは、作曲・楽典で「ヨナ抜き」ペンタトニック・スケール(5音階)の解説で必ず紹介される、明治黎明期の伊沢修二という教育家が、派遣された留学先のアメリカでどのように苦労しながら音楽を学び、その後の日本の教育に採り入れていったかということも詳しく解ります。
 NHK大河ドラマの次作『花燃ゆ』は吉田松陰の妹であるヒロインの目を通して、幕末から維新・明治へかけての青春群像が描かれるようです。前作『八重の桜』で山本覚馬や新島襄といった人物を採り上げたように、大河ドラマも従来の良く知られた武将や政治家から、具体的な分野で貢献をした個性的な人物に興味の対象が変わってきている感があります。
 そうした制作テーマの流れの中では、黎明期の教育界そして現代へと続く音楽分野の礎を築き、「唱歌の父」ともいわれる伊沢修二のドラマ企画があっても面白いのではないでしょうか。