続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

M『つき刺された持続』

2011-07-28 06:36:54 | 美術ノート
 この絵の視点、目の高さは暖炉の上板・・・これは子供の目の高さである。

 マグリット、子供の日の記憶。
 つき刺さるほどの衝撃・・・母親の自殺にほかならないのではないか。

 誰にも踏み込まれたくない内奥の刻!

 持続・・・この衝撃の時刻の持続・・・いつまでも、幾つになっても消えることのない胸に突き刺さったままの記憶。
 鏡には燭台と時計が映るほかは何もない闇。前に壁があるなら後ろにも壁があるはず、何も映りこまない非現実の光景。否、現今の精神的色調かもしれない。

 機関車の煙、燃え上がる炎の突然の静止・・・自殺という事実。

 壁から突き出た機関車・・・ありえない光景・・・ありえないような衝撃の具現化!

 自分の中で止まったままの刻、静かで平和な日常の亀裂は、この視線の高さが示す幼年時代に起きた。
 部屋に損傷はない・・・無垢で傷を知らないマグリットの子供時代の内面そのもの。

 この衝撃の光景を今(画家として)、真正面からでなく斜に傍観している、し続けているといったほうがいいかもしれない。

《この絵を詮索する者をなん人といえども許さない、わたしの心に踏み込むものを絶対に拒絶する》
 マグリットの深い悲しみ、冷徹な眼差し・・・誰にも知られたくない、誰にも理解不能なこの心情を・・・しかし描き止めずにはいられなかったマグリットの原風景。

 冷たい大理石、重い鉄の機関車、鏡、燭台、硬質のそれら・・・。
 まさか、機関車の煙(エネルギーの突然の停止)、生命がフリーズするなんて!!
(燭台の形と床面の木材の年輪は母をリンクさせる共通のモチーフ)

『風の又三郎』57。

2011-07-28 06:18:41 | 宮沢賢治
「礼。」先生もみんなも礼をしました。うしろの大人も軽く頭を下げました。

 大人はダイジンと読んで、die神。

☆「霊」たくさんの星もみんなも霊になりました。うしろの死神も経(不変の真理を説いた書物)をもって平等としました。
 厳密にというのでなく、《「分からないところはわたしにも分からないのです」賢治》というように、大体の感じから、全体「平等」を言っていると思うし、世界としては道をかっきり曲がったところの「冥府」を二重の風景として書き込んでいる。

『城』552。

2011-07-28 06:06:17 | カフカ覚書
「いらっしゃい。こんなところじゃ、息がつまってしまってよ」
 ふたりは、抱き合った。Kの腕の中で、小さなからだが燃えた。

 息がつまる/ersticken→erstarken/強くなる。
 抱く/umfassten・・・包囲。
 ふたりは/einander→Ahn ander/ほかの先祖。
 腕のなか/Hannden・・・Hand/国家。
 小さな/kleine→klan/氏族。
 からだ/korper・・・団体。
 燃えた/brannte→brauen/企む。

☆「たしかに強くならなくては」
  ほかの先祖に包囲されたKの属する国家のなかでの氏族の団体の企みだった。