Mさんは90才過ぎのご老人。何をなさっていた人かは知らないけれど、矍鑠とした風貌には静かな威厳がある。
「90を過ぎますとね、もうダメですよ・・・」といいながらも、外出不能な奥さんに代わって買い物をしている。
ところがそのMさん、昨日はゴミ集積場で袋を解いて何か探している様子。熱心に幾つも幾つも袋を開け中のものを取り出している・・・。
(どうしたのかしら)回覧板を隣に渡すため外へ出ての目撃。
前のKaさんが外を掃除していたので二人でMさんに近づき尋ねてみた。
「いやぁ、実は時計を失くしてしまったんです」
「もう一度家の中を捜してみたら」とKaさん、
「もう家の中はよく捜したのです」とMさん。
そのうち「ああ、ありました。これがうちのゴミの袋です」といいながら中を点検。
「ありましか?」
「・・・いいえ、ご心配かけました」といいながら痛々しく立ち上がり家のほうに立ち去っていった。
一時間ほどしてチャイムが鳴った。
「先ほどは失礼いたしました。時計ありました。」
「よかったですね、安心しました」というと、
「あれは三十万円もしたオメガで、しかも思い出の品なんです」と、重ねてお礼をいい「Kaさんにもよろしくお伝えください」と杖を付き、安心と疲労をにじませた背を向け帰っていった。
即KaさんにTel、お互い「よかったわ」と言いつつも、
「本当にボケたかと思ったわ。二重によかったわ」と安堵した昨日の出来事。
物忘れ名人と化した最近(ずっと昔から?)のわたし、用心用心、ご用心。
「90を過ぎますとね、もうダメですよ・・・」といいながらも、外出不能な奥さんに代わって買い物をしている。
ところがそのMさん、昨日はゴミ集積場で袋を解いて何か探している様子。熱心に幾つも幾つも袋を開け中のものを取り出している・・・。
(どうしたのかしら)回覧板を隣に渡すため外へ出ての目撃。
前のKaさんが外を掃除していたので二人でMさんに近づき尋ねてみた。
「いやぁ、実は時計を失くしてしまったんです」
「もう一度家の中を捜してみたら」とKaさん、
「もう家の中はよく捜したのです」とMさん。
そのうち「ああ、ありました。これがうちのゴミの袋です」といいながら中を点検。
「ありましか?」
「・・・いいえ、ご心配かけました」といいながら痛々しく立ち上がり家のほうに立ち去っていった。
一時間ほどしてチャイムが鳴った。
「先ほどは失礼いたしました。時計ありました。」
「よかったですね、安心しました」というと、
「あれは三十万円もしたオメガで、しかも思い出の品なんです」と、重ねてお礼をいい「Kaさんにもよろしくお伝えください」と杖を付き、安心と疲労をにじませた背を向け帰っていった。
即KaさんにTel、お互い「よかったわ」と言いつつも、
「本当にボケたかと思ったわ。二重によかったわ」と安堵した昨日の出来事。
物忘れ名人と化した最近(ずっと昔から?)のわたし、用心用心、ご用心。