続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

集積場を漁る老紳士。

2011-08-09 06:51:52 | 日常
 Mさんは90才過ぎのご老人。何をなさっていた人かは知らないけれど、矍鑠とした風貌には静かな威厳がある。
「90を過ぎますとね、もうダメですよ・・・」といいながらも、外出不能な奥さんに代わって買い物をしている。

 ところがそのMさん、昨日はゴミ集積場で袋を解いて何か探している様子。熱心に幾つも幾つも袋を開け中のものを取り出している・・・。
(どうしたのかしら)回覧板を隣に渡すため外へ出ての目撃。

 前のKaさんが外を掃除していたので二人でMさんに近づき尋ねてみた。
「いやぁ、実は時計を失くしてしまったんです」
「もう一度家の中を捜してみたら」とKaさん、
「もう家の中はよく捜したのです」とMさん。

 そのうち「ああ、ありました。これがうちのゴミの袋です」といいながら中を点検。
「ありましか?」
「・・・いいえ、ご心配かけました」といいながら痛々しく立ち上がり家のほうに立ち去っていった。


 一時間ほどしてチャイムが鳴った。
「先ほどは失礼いたしました。時計ありました。」
「よかったですね、安心しました」というと、
「あれは三十万円もしたオメガで、しかも思い出の品なんです」と、重ねてお礼をいい「Kaさんにもよろしくお伝えください」と杖を付き、安心と疲労をにじませた背を向け帰っていった。

 即KaさんにTel、お互い「よかったわ」と言いつつも、
「本当にボケたかと思ったわ。二重によかったわ」と安堵した昨日の出来事。

 物忘れ名人と化した最近(ずっと昔から?)のわたし、用心用心、ご用心。

『風の又三郎』68。

2011-08-09 06:33:52 | 宮沢賢治
「そだら又三郎も掘るべが。」嘉助が云ひました。
「又三郎だなぃ、高田三郎だぢゃ。」佐太郎が云ひました。
「又三郎だ又三郎だ。」嘉助が顔をまっ赤にしてがん張りました。

 顔/face→faith/信念、信仰。

「それなら幽界の太陽の子も弘通(仏法が広まること)だべか。」嘉助(火星の化身)が云いました。
「幽界の太陽の子じゃない、光で伝える太陽の子だい」佐太郎(sateliteから衛星の化身)が云いました。
「幽界の太陽の子だ幽界の太陽の子だ」嘉助(火星の化身)が信仰を釈/意味を解き明かして挑みました。

『城』563。

2011-08-09 06:09:28 | カフカ覚書
 Kは、それに反対して、無理にでも彼女をクラムのところへ行かせようとおもい、ちらかったブラウスなどを集めにかかったが、それを口に出して言うことはできなかった。

 ブラウス/Bluse→Blust/後悔する。
 集める/zusammenzusuchen→zusammenzuchen/(驚いて)ぎくっとする。

☆Kはそれに反して、無理にでも氏族に歩み寄ろうとしたが、残る後悔に(驚いて)ぎくっとし、話すことが出来なかった。