続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

蝉時雨。

2011-08-14 06:52:23 | 日常
 ほとんど途切れることなく、立体的というほどに蝉の鳴き声が周囲の空間に響き渡っている。
 似たような小さな羽音が重なると、強く耳を圧して気が遠くなる心地さえする。

 お盆・・・あの世の人たちが声なき声を発して現世の人に訴えかけているのではないか。そんな想像を可能にする蝉時雨。

 子供のころには7月のお盆過ぎから日参した海にも、8月のお盆のころには水が冷たくなるので、泳ぎには行かなくなり、ただ、ぼーっと過ごしていた夏休み。
 何であんなに何も考えずにぼーっとしていられたのだろう。
 意欲のない子供のなれの果てをいくわたし。

 知らぬ間に64才になるなんて!驚いてしまう。

 人生は驚き呆れるほど短い。青年が隣村に行こうとして行き着かないうちに人生は終わってしまう(カフカ)

 カフカを知った夏・・・それは14才のころだから、カフカとの付き合い(?)も、すでに50年。
 あの蝉時雨の中にカフカがいるかもしれない。でももうあの世に逝けば言葉を持たないから、悲しく羽音を奏でるだけ。

「生きているうち、生きているうちだけなんだよ!」
 そう囁いているのだろうか。

『城』568。

2011-08-14 06:11:11 | カフカ覚書
しかし、Kは、起きあがると、フリーダとならんで膝をつき、ほの暗い夜あけまえの光のなかを見まわした。なんということになってしまったのだろうか。彼の希望は、どこへ行ってしまったのだろうか。

 膝をつき/Kniete→Knies/(陰で行われる)不和・対立。
 夜あけまえの光/Vormorgenlicht→Morgue richtung/モルグ・方向。
 希望/Hoffnungen→Hof neigen/太陽、傾ける。

☆フリーダ(平和・自由)と並んだ不和・対立の不確かなモルグ(身元不明者の死体公示所)の方向を見た。
 なんということになってしまったのだろうか。彼の太陽は傾いてしまったのだろうか。