続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

Kさん。

2013-03-06 07:01:36 | 日常
 90才を超えてなお元気なKさん。
 チャイムが鳴ったので出て見るとKさん、「これあんたに上げるよ」と差し出してくれたのは柑橘を示す葉の苗と花の苗、「それからお菓子と、玉葱。芽が出ても困るから」と。「それから。あんた足が痛いって言ってたから、湿布」
 次から次と何かしら出てくる袋。
「いいのに、何にも要らないのに」と言いながら、ありがたく頂戴したので・・・即、植え込み。

 それで何の用があったのだろう・・・。
「あんたに話したいことがあってきたんだけど、忘れちゃったよ。何だったっけなぁ」と、しきりに首を傾げていたKさん。
「お姉さんが家に入りたがっているんだけど、わたしは・・・もう困るよ」と言う。
 お姉さんとは、Kさんの息子さんの彼女。
 最初の奥さんと離婚してから、ちょっとキレイな女が入ったことがあったけれど、Kさんはさんざん苛められて大変な思いをしている。近所にまでお金を借りにいったり、息子さんに自分の借金の肩代わりを頼むに到って分かれた経由がある。
 今度の彼女は飲み屋か何かに勤めているようで、何事にも調子がいい。でも・・・Kさんは恐ろしいと言う。

「だからさ、頑張んないといけないんだよ。元気にしてないと、わたしの方が追い出されちゃうからね」と、笑った。

 わたしの口からは何とも言えない。
「(90才過ぎて)元気に闊歩しているKさんが羨ましいよ」と言うと、ことさらのように「頑張んなきゃねぇ」と笑い、
「何か、言いたいことあったんだけどねぇ、忘れちゃったよ」と言いながら帰っていった。

《頑張んなきゃねぇ》
 その言葉、そのままわたしの胸に響いている。

『セロ弾きのゴーシュ』18。

2013-03-06 06:42:06 | 宮沢賢治
 そのとき誰かうしろの扉をとんとんとたたくものがありました。
「ホーシュ君か」ゴーシュはねぼけたように叫びました。ところがすうと扉を押してはいって来たのはいままで五、六ぺん見たことのある大きな三毛猫でした。

☆推しはかる秘(人に見せないようにかくす)考えである。
 訓(教え導く)経(常に変わらない)秘(奥深くてはかり知れない)は、往(人が死ぬ)と雷(神なり)である。
 悟(真理に目覚める)ために夢(実在しない)幻を題(テーマ)にしている。
 太陽は望みの平(平等)である。

『城』11204。

2013-03-06 06:18:53 | カフカ覚書
それに、あなた自身も、たしかに幸福ではない。ご自分でおっしゃったように、この三つの記念品がなかったら、生きつづけていく気がなさらないし、心臓もわずらっていらっしゃる。

 三つの/drei→drang/圧迫、熱望。
 記念品/Andenken→endigen(enden)/死ぬ。
 生きつづける/weitleben→weitleiden/苦しみ続ける。

☆それに、あなた自身もたしかに幸福ではない。あなたがおっしゃったように圧迫による死がなかったら悩みつづけることも、煩悶することもなかったでしょう。