続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

Ah・・・。

2015-01-29 06:03:24 | 日常
 時が再び元に戻れば・・・などと考えたことはない。むしろ早く過ぎ去って早くこの世から消えてしまいたいと思うことがあるくらいである。

 そんなわたしでも、あっ!と声をあげ、数秒前に戻りたいと愕然としたのは、つい先日のこと。
 膝痛を抱えているので階段を降りるときには万全の注意と覚悟で望む。一段一段、間違いなく手すりにつかまり降りていく。最後の一段も無事降り果せてホッとした。次は通路を挟んだ西友へ、と思ったその時、わたしは地獄へ堕ちたかと思ったほどの衝撃を受けた。
 階段から一メートルほど離れた所に、もう一段の落差があったのである。いつも通っていて、一度も不自由だと感じたことのない段差を気付かずに踏み外してしまった・・・。

「キャーッ!」

 相当大きな叫び声だった思う(恥ずかしながら)。ガラスの向こうには沢山の人が見えたけど、幸か不幸か至近には誰もいなくて、わたしの叫びに反応した人は皆無。ただ、それを喜んでいる場合でないほどの脳天を打たれたような膝への衝撃、痛み。
 ぐっと奥歯を噛み締め直立したまま大きく息を吸った。
 何事もなかったように、しかし見るからに不自然極まる固まった機械仕掛けのロボットのような恰好でその場を立ち去った。

 治りかけた膝痛への追い討ち・・・(こんなもんだよ、人生は?)
 
 後日、その現場をしみじみ見つめた。黄色いテープが貼ってある。ただ幾多の人に踏まれて少々擦り切れ床のタイルと同じような色に変色していた。(それにしても、ああ、わたしと同じような事故に遭った人がいるからこその黄色のテープ)


 弱り目に祟り目・・・一瞬先は分からない。注意の上にも更なる注意、そのうち家の中でもやりかねない。Ah・・・。

『城』1865。

2015-01-29 05:40:29 | カフカ覚書
いま、ハンスは、Kを相手に長い会話をかわしながら、どのような困難を克服しなくてはならないかを熟考している。彼がどんなに力を尽くしてみても、それらは、ほとんど克服できそうもない困難ばかりである。彼は、すっかり考えこみながら、それでも助けを求めるような面もちで、不安げにまばたきしながらKをたえず見つめていた。


☆ハンスは、Kを相手に企みの会話をかわしながら、どんな困難さえも克服しなければと考えていた。最も強い意志である断食は克服しえない困難である。彼はしっかり考えたにもかかわらず、落着きなく目をまばたきしながら見つめていた。