続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

金山康喜『ドアとテーブルの上の静物』

2015-03-28 07:13:35 | 美術ノート
 一見、明るい色調ではある。しかし、どことなく荒い息づかいが充満している。嵐の前の静けさとでも言うような、内的破綻が覗く光景である。

 作品としての闊達なバランス、青と黄には束縛の予兆を感じさせない自由がある。しかし、不安(不安定)は隠せない。
 テーブルの上に置かれたオブジェはそれぞれ垂直に林立しているが、肝心のテーブルは傾いでいるという具合。けれど、四本の支えが不安をかき消している。しかし、それは曲線を描いて集められているではないか。力関係からいえば極めて脆弱な造りだといえる。その下部にいたっては描かれていないので推測するしかないが、危機一髪状態のテーブルなのではないか。もちろん、故意に計算して描いている作家の歪んだ笑いがどうしても垣間見えてしまう。

 ドアは、つまり・・・進入禁止。

 空き瓶に空の缶・・・こんな空っぽの破滅状態の自分を覗くなよ!とでも言っているようである。不思議な空間は奈落の底を隠蔽しつつ、明るいが、影(タッチに見る心理と含みのある下地)のある画面に仕上げている。《自由奔放の虚勢は、崩壊寸前の空虚》なのだと告白している、そんな悲痛な叫びが鑑賞者であるわたしを襲う、そういう作品である。(写真は神奈川県立近代美術館/カタログより)

『冬のスケッチ』66。

2015-03-28 06:51:59 | 宮沢賢治
二四   水こぼこぼと鳴る
     ひぐれまじかの笹やぶを
     しみじみとひとりわけ行けり。
          *
     隔離舎のうしろの杉の脚から
     西のそらが黄にひかる
          *
 

☆推しはかる冥(死後の世界)の細小(小さく細かい)講(はなし)を書く。
 理(物事の筋道)により赦(罪や過ちを許す)太陽の挌((法則)である済(助け)の講(はなし)である。

『城』1920。

2015-03-28 06:39:50 | カフカ覚書
「これまでにもう何度となく」と、フリーダは、話しはじめた。「いいえ、最初のときからですが、お内儀さんは、わたしにあなたの言葉を信じさせまいとして骨を折っていました。お内儀さんは、あなたが嘘つきなどと言ったのではありません。


☆「確かに、度々」と、フリーダ(平和)は、話しはじめた。「同じような始まり、言葉は、わたしたちに疑いを作り、煩わせます。あなたの主張は嘘ではありません。