博物館とは古今東西、世界の情報の集積を提示する場所をいう。にもかかわらず《一夜》とは、なぜか。
One-noght Museum・・・幻の、ということかもしれない。幻の時空の必然性はどこにあるのだろうか。
箱の中は四つに仕切られている、何と言うこともないが十を暗示している風でもある。
腐ったリンゴ・・・知恵の実としての具現が時の経過により腐敗寸前である。
切り取られた手首・・・。
《わが手の力により、またわが知恵によって・・・》《そのいばらと、おどろとを一日のうちに焼き滅ぼす》(聖書より)
左下には、何という形を特定できない置物。意味不明、用途を推し量ることが出来ない物体。自然に出来た形ではなく人の手が加わったような仕上げに見える。無意味/徒労の象徴だろうか。
右下は、模様のように刻まれた穴が配された平面状のもの(板)で、内部を隠蔽している。何か在るかもしれないし、無いかもしれない。暴くことは不能であり、秘密の有無は永遠の謎である。
永遠の謎を秘めた不思議な作品、具体的に口に出来ないマグリットの胸のうち。
発言(メッセージ)は、明言できない。
この世界観は永遠の様相を呈しているが、やがては朽ちていくかもしれないという想定を、幻という時空で描きとめたのである。
世界は永遠ではない、一夜限りの幻かもしれない。(宇宙の時空、億年の歴史においては)
作品が内包するマグリットの深い瞑想(憂慮)は謎のままに、鑑賞者は作品の前を通り過ぎるしかない。答えを明言することは(絶対に)許されない、そういう作品である。(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)
One-noght Museum・・・幻の、ということかもしれない。幻の時空の必然性はどこにあるのだろうか。
箱の中は四つに仕切られている、何と言うこともないが十を暗示している風でもある。
腐ったリンゴ・・・知恵の実としての具現が時の経過により腐敗寸前である。
切り取られた手首・・・。
《わが手の力により、またわが知恵によって・・・》《そのいばらと、おどろとを一日のうちに焼き滅ぼす》(聖書より)
左下には、何という形を特定できない置物。意味不明、用途を推し量ることが出来ない物体。自然に出来た形ではなく人の手が加わったような仕上げに見える。無意味/徒労の象徴だろうか。
右下は、模様のように刻まれた穴が配された平面状のもの(板)で、内部を隠蔽している。何か在るかもしれないし、無いかもしれない。暴くことは不能であり、秘密の有無は永遠の謎である。
永遠の謎を秘めた不思議な作品、具体的に口に出来ないマグリットの胸のうち。
発言(メッセージ)は、明言できない。
この世界観は永遠の様相を呈しているが、やがては朽ちていくかもしれないという想定を、幻という時空で描きとめたのである。
世界は永遠ではない、一夜限りの幻かもしれない。(宇宙の時空、億年の歴史においては)
作品が内包するマグリットの深い瞑想(憂慮)は謎のままに、鑑賞者は作品の前を通り過ぎるしかない。答えを明言することは(絶対に)許されない、そういう作品である。(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)