荒れた海の上、空中に浮かぶ巨岩石。巨岩石の上には城が見え、背景の空は雲多き青空である。
この絵を見ていると、仏教なら釈迦如来(釈迦三尊像)や大日如来、阿弥陀如来などが現れ召した図を思い浮かべてしまう。
《神である》
空中浮遊するような現実離れしたものは神をおいて他にない。
この石は「神」なのだろうか。
「わたしは初めであり、わたしは終りである。
わたしのほかに神はない。
(略)
わたしのほかに岩はない。(イザヤ書)
石(岩石)は初めであり終りかもしれない、地球科学/物理的に考えると、そういうことになる。
石は終り(死)だという印象を持ったけれど、始まりであるという事実は忘れていたかもしれない。水を含む我地球は燃える岩石として誕生したのである。アミノ酸、有機物が生命を誕生させ今日の世界を作っている。
「石こそが、世界の初めであり、終わりである。」とマグリットは揶揄している。そして現実に証明ともなりうる論理の表明でもある。
下(地上)からは臨めないが、石の上には廃墟と化した城が描かれている。城は栄華の象徴であり人智の極みでもある。
主は、まっすぐ歩む者には城であり、悪を行う者には滅びである(箴言)
輝ける軌跡であり時代の証明である「(幻の)城」を石の上に軽々と乗せた光景は、世界の在り方を沈黙の内に呈示している。
(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)
この絵を見ていると、仏教なら釈迦如来(釈迦三尊像)や大日如来、阿弥陀如来などが現れ召した図を思い浮かべてしまう。
《神である》
空中浮遊するような現実離れしたものは神をおいて他にない。
この石は「神」なのだろうか。
「わたしは初めであり、わたしは終りである。
わたしのほかに神はない。
(略)
わたしのほかに岩はない。(イザヤ書)
石(岩石)は初めであり終りかもしれない、地球科学/物理的に考えると、そういうことになる。
石は終り(死)だという印象を持ったけれど、始まりであるという事実は忘れていたかもしれない。水を含む我地球は燃える岩石として誕生したのである。アミノ酸、有機物が生命を誕生させ今日の世界を作っている。
「石こそが、世界の初めであり、終わりである。」とマグリットは揶揄している。そして現実に証明ともなりうる論理の表明でもある。
下(地上)からは臨めないが、石の上には廃墟と化した城が描かれている。城は栄華の象徴であり人智の極みでもある。
主は、まっすぐ歩む者には城であり、悪を行う者には滅びである(箴言)
輝ける軌跡であり時代の証明である「(幻の)城」を石の上に軽々と乗せた光景は、世界の在り方を沈黙の内に呈示している。
(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)