続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『夏』

2017-08-18 07:03:18 | 美術ノート

 『夏』

 夏? 石積みのような建屋の壁集合住宅(ビル)の窓は一様に閉じたままであり、カーテンも申し合わせたように少ししか開いていない。旗の明るさに比して、並べて彩度・明度の低い彩色(トーン)である
 人々(生活者)はこの閉塞された窓の中に、夏という猛暑に耐えているのだろうか。(全室冷房完備の時代ではないと思う)

 建屋の前には旗が掲げられているが、国旗や地域を現わすものでなく、世界に等しい雲の散在する青空が描かれている。
 これは何を象徴しているのだろう?『呪い』だろうか、『変幻自在の自由』だろうか。
 旗の影は建屋に被っている。

 画一化され、封じ込められた不自由に対する反旗だろうか。人々の声は聞こえず沈黙している。
 この耐え難い鬱積した空気感をもって『夏』としたのだろうか。それとも旗に見る「解放された自然」への希求をもって『夏』と題したのだろうか。
 夏の定義は必ずしも一定ではないかもしれないが、酷や猛の冠が似合いの季節である。
《翳りある従順》
 人びとは『呪い』であり『自由への希求』である旗を掲げ、沈黙している。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


『山男の四月』33。

2017-08-18 06:54:49 | 宮沢賢治

するとふしぎなことには、山男はだんだんからだのでこぼこがなくなつて、ちぢまつて平らになつてちひさくなつて、よくしらべてみると、どうもいつかちひさな箱のやうなものに変つて草の上に落ちてゐるらしいのでした。


☆太陽の談(話)は蔽(見えないようにしている)。
 双(二つ)の片(一方)は、総て照(あまねく光が当たる=平等)に、絡(結びつく)。


『城』2725。

2017-08-18 06:39:28 | カフカ覚書

ですから、バルナバスを新しい使者に仕立てて、侮辱された使者の仕事をバルナバスに代行させ、その使者が好きなだけの、また侮辱を忘れるのに必要なだけの期間、はるかな遠くで静かに暮らしていけるようにしてあげるー


☆バルナバスに先祖の新しい小舟を提案し、バルナバスを外に出し、侮辱された小舟を現場不在にしたのです。侮辱を忘れるだけの期間を欲するに足るほど遠方に留まることで休止したのです。