『哲学者のランプ』
マグリット自身らしい横顔、太く長い鼻はパイプを通して自身の口へ(口から得た言葉が鼻を通して自身のなかへ)、つまり巡回している。
自分が発しているメッセージは自身のなかに納め、決して外へは漏らさない秘密と化す。問いかけるが、答えは自身の胸の内にあり誰にもその答えを知られたくないし、禁じてさえいる。
心の闇を照らす一筋の灯り、ロウソクは消えることなく永遠の時の長さをもってわたしの中で燃えている。聖書に登場する蛇、「へびがわたしをだましのです」と答える女。
わたし(マグリット)は蛇の狡猾さをもって世間を騙しているのかもしれない。
しかし、太い鼻は決意であって高慢ではない。
男女の平等(同格)、母への追慕、現実とイメージ(概念)の混沌…etc 強い意志をもって主張しているが、強要すべき意図は皆無であるし、憶測も願い下げである。
哲学者…漆黒の闇、孤独の中の信念を生きるわたくしである。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
「おれは魚屋の前から来た。」と腹に力を入れて答へました。すると外から支那人が嚙みつくやうにどなりました。
☆語(言葉)也。全て雷(神なり)の福(幸い)である。
力(ちから)也。等(平等)の我意は詞(言葉)を納める図りごとの号(叫び)である。
けれども、日がたつにつれて、もうなにも話すことはなくなってしまいました。最初の日にあんなにすばやく到達できたところから、もう一歩も先へ進めないのです。それから二年間、バルナバスは、この単調で、胸をしめつけられるような生活をおくったのです。
☆程なく理解いたしましたが、明らかに話すことはなくなってしまいました。あまりにも速く成し遂げたので、そのままになってしまってしまったのです。この長い強制の年月、先祖に胸を締め付けられるようにして送ったのです。