昃る梅おもひすべなく梳る
昃る、微かに香る梅であるけれど、盛りを過ぎている。どうしたら想いを告げられるか、思案に暮れている。
梳る髪、目の前の鏡に映ったわたしの容姿には衰えの兆しが見える。不可逆を嘆いても始まらないが、何とか想いを遂げる術はないだろうか。
諦念の重さで傾く女心、刻々と過ぎていく時間、秘かに燃える情念が垣間見える。
昃る梅おもひすべなく梳る
昃る、微かに香る梅であるけれど、盛りを過ぎている。どうしたら想いを告げられるか、思案に暮れている。
梳る髪、目の前の鏡に映ったわたしの容姿には衰えの兆しが見える。不可逆を嘆いても始まらないが、何とか想いを遂げる術はないだろうか。
諦念の重さで傾く女心、刻々と過ぎていく時間、秘かに燃える情念が垣間見える。
春山に生木たづぬる一本箸
春山はシュン・センと読んで、俊、先。
生木たづぬる(生木尋)はセイ・モク・ジンと読んで、生、黙、尽。
一本箸はイツ・ホン・チョと読んで、逸、本、著。
☆俊(秀でている)先生、黙って尽(力をつくし)逸(優れた)本を著(書き表している)。
春山はシュン・サンと読んで、蠢、惨。
生木たづぬる(生木尋)はセイ・ボク・ジンと読んで、凄、朴、塵。
一本箸はイツ・ホン・チョと読んで、溢、奔、著。
☆蠢(虫がうごめく)惨(みじめな)棲(すまい)である。
朴(ありのまま)で塵(汚れ)が溢(いっぱい)のなか、奔(思うままに)著(書物を書き表している)。
春山はセン・サンと読んで、詮、三。
生木たづぬる(生木尋)はショウ・モク・ジンと読んで、章、黙、腎。
一本箸はイツ・ホン・チョと読んで、逸、翻、著。
☆詮(明らかにする)三つの章を黙っている。
腎(要)は逸(隠れている)。
翻(作り変えて)著(書き表すこと)である。
春山はシュン・センと読んで、瞬、染。
生木たづぬる(生木尋)はセイ・ボク・ジンと読んで、西、牧、尽。
一本箸はイツ・ホン・チョと読んで、何時、翻、著。
☆瞬(またたく間に)染まる西の牧(牧場)。
尽(すべて無くし)、何時、翻(形を変えて移すこと)が著(明らかになるのか)。