続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

鈴木しづ子(私的解釈)昃る梅。

2021-04-10 06:46:50 | 鈴木しづ子

   昃る梅おもひすべなく梳る

 昃る、微かに香る梅であるけれど、盛りを過ぎている。どうしたら想いを告げられるか、思案に暮れている。
 梳る髪、目の前の鏡に映ったわたしの容姿には衰えの兆しが見える。不可逆を嘆いても始まらないが、何とか想いを遂げる術はないだろうか。
 諦念の重さで傾く女心、刻々と過ぎていく時間、秘かに燃える情念が垣間見える。


『飯島晴子』(私的解釈)春山に。

2021-04-10 06:12:26 | 飯島晴子

   春山に生木たづぬる一本箸

 春山はシュン・センと読んで、俊、先。
 生木たづぬる(生木尋)はセイ・モク・ジンと読んで、生、黙、尽。
 一本箸はイツ・ホン・チョと読んで、逸、本、著。
☆俊(秀でている)先生、黙って尽(力をつくし)逸(優れた)本を著(書き表している)。

 春山はシュン・サンと読んで、蠢、惨。
 生木たづぬる(生木尋)はセイ・ボク・ジンと読んで、凄、朴、塵。
 一本箸はイツ・ホン・チョと読んで、溢、奔、著。
☆蠢(虫がうごめく)惨(みじめな)棲(すまい)である。
 朴(ありのまま)で塵(汚れ)が溢(いっぱい)のなか、奔(思うままに)著(書物を書き表している)。

 春山はセン・サンと読んで、詮、三。
 生木たづぬる(生木尋)はショウ・モク・ジンと読んで、章、黙、腎。
 一本箸はイツ・ホン・チョと読んで、逸、翻、著。
☆詮(明らかにする)三つの章を黙っている。
 腎(要)は逸(隠れている)。
 翻(作り変えて)著(書き表すこと)である。

 春山はシュン・センと読んで、瞬、染。
 生木たづぬる(生木尋)はセイ・ボク・ジンと読んで、西、牧、尽。
 一本箸はイツ・ホン・チョと読んで、何時、翻、著。
☆瞬(またたく間に)染まる西の牧(牧場)。
 尽(すべて無くし)、何時、翻(形を変えて移すこと)が著(明らかになるのか)。