続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

鈴木しづ子(私的解釈) 秋衣。

2021-04-29 14:03:03 | 鈴木しづ子

   秋衣あめの東京はなれけり

 秋衣とは、夏、すでにハゼノキのような紅葉が見られることから名づけられた夏櫨の別称である。
 早くもわたしの心は秋のような小寒い風が吹き、儚く哀しい慕情は雨に濡れている。内なる心の中心、東京と名付けたわたしの心は、彼から離れてしまったに違いない、きっと、そうに決まっている。

 夏の勢いを失いつつあるあなた、魅力と思えたものが衰退していく。あなたはわたしから離れていくのか、いいえ、わたしがあなたから離れてしまったのです。

 本当は・・・、わたしを刺した冷厳の一言に離れざるを得なかったのです。降りやまぬ雨もいつか止むでしょう。


鈴木しづ子(私的解釈)東京と。

2021-04-29 09:53:39 | 鈴木しづ子

   東京と生死をちかふ盛夏かな

 東京は任意の場所であり日本の中心地である。中心はわたし、東京はわたしの心の中心である。
 生死(ショウジ)は、生ある者が三界六道の世界でいくたびも生死を繰り返すことであり、三界とは過去・現在・未来、欲界・色界、無色の界をいい、六道は地獄・餓鬼・阿修羅・人間(ジンカン)・天上の各道をいう。

 わたしは、地獄に落ちようとも、あるいは地獄から這い上がってきた人間であるとしても、その三界六道を決して畏れるものでないと誓う、この燃え盛る火のような激情のさ中に、固く約束しよう!
 飽くなき生への執着、《決して死ぬまいぞ》の思いである。


『飯島晴子』(私的解釈)山水に。

2021-04-29 07:00:41 | 飯島晴子

   山水に零落れにゆく蛾のあらむ

☆三つを推しはかることに身をやつしている我(わたくし)である。

 山水はサン・スイと読んで、三、推。
 零落れにゆく(零落行)はレイ・ラク・アンと読んで、例、絡、案。
 蛾のあらむ(蛾有)はガ・ユウと読んで、俄、游。
☆三つを推しはかる。
 例(たとえ)を絡(結びつける)案(アイデア)が俄かに游(浮かぶ)。

 山水はサン・スイと読んで、惨、衰。
 零落れにゆく(零落行)はレイ・ラク・コウと読んで、零、落、抗。
 蛾のあらむ(蛾有)は、我、憂。
☆惨(いたましく)衰(おとろえ)零(おちぶれて)落(駄目になる)。
 抗(張り合う)我(わたくし)は、憂(心配している)。

 山水はセン・スイと読んで、閃、彗。
 零落れにゆく(零落行)はレイ・ラク・コウと読んで、霊、落、光。
 蛾のあらむ(蛾有)はガ・ユウと読んで、我、誘。
☆閃(きらりと光る)彗(ほうき星)は、霊(魂)のようで、落(もの淋しい)光であり、我(わたくし)を誘(いざなう/惑わす)。


『飯島晴子』(私的解釈)幼年の。

2021-04-29 06:38:26 | 飯島晴子

   幼年の息近々とこれは黒蛇

☆幼い子供が近づいているのは、ミミズではなく、これは危険な黒蛇です。

 幼年はヨウ・ネンと読んで、腰、捻。
 息近々(息近近)とはソク・コン・キンと読んで、即、困、筋。
 これは黒蛇(此黒蛇)はシ・コク・ジャと読んで、施、哭、邪。
☆腰を捻ると、即(すぐさま)困る。
 筋(すじ)を施し、哭(泣く)邪。

 幼年はヨウ・ネンと読んで、要、念。
 息近々(息近近)はソク・コン・コンと読んで、即、渾、混。
 これは黒蛇(此黒蛇)はシ・コク・ジャと読んで、恣、告、邪。
☆耀かなめ)の念(考え)は即ち、渾(いろいろなものが一つに溶け合い)混ざっている。
 恣(ほしいまま勝手に振舞うこと)を告げる邪。

 幼年はヨウ・ネンと読んで、燿、燃。
 息近々(息近近)ソク・キン・キンと読んで、燭、謹、近。
 これは黒蛇(此黒蛇)はシ・コク・ジャと読んで、死、酷、邪。
☆耀(輝き)燃える燭(ロウソクの灯り)、謹(かしこまり)近づく。
 死は酷(むごい)邪。