続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『城』1505。

2014-01-15 06:03:06 | カフカ覚書
そんなけしからぬ気持におなりになるのも、たぶんモームスさんの手前があるからじゃありませんか。ほんとうです、測量師さん、どんなことにせよ、あなたをけしかけたりなんかしているものですか。

 けしからぬ/Lustやじるsrusten/用意する、武装する。

☆ひょっとしたら大群(大勢の死んだ人たち)の秘密は、武装することじゃありませんか。いいえ、大群(大勢の死んだ人たち)の測量師(土地を失ったことに気付いた人)は、そんなことをするつもりはありません。

本年の指針。

2014-01-14 06:58:26 | 日常
 絵を描く意味・・・衝動的に描きたくて描くことが原点である。わたしにはそれが欠けている。

《わたしにとって美術とは何であったのか》

 創作者と鑑賞者、この関係があっての美術であるとするなら、わたしは後者の立場に近い。
 美術愛好家・・・待ちきれない思いで観に行く、観ることを喜びとする高揚感。わたしにはそれが欠けている。低いテンション、見逃した展覧会にも後悔が薄いし、出掛ける気力に戸惑いがある。(最低の美術愛好家、と言うか何者でもない)


 でも、やっぱりどこかで気になって仕方がない美術への期待感。
(おかしいなぁ、お前は誰だ!)と、自分の中の自分に問いかけてみる。単なる未練なのだろうか。

 ワークショップなどのイベントがらみでようよう重い腰を上げる。こんな美術愛好家がいるだろうか。アートテラーさんのようにどこへでも出かけ何でも見てやろうとする意気込みが薬にしたくも無い。

 
 いや、いや、(わたしは美術が好きなのだ)と自分に言い聞かせてみる。
 もっとも、美術館に足を運ぶ(年に5回程度)ようになったのもつい最近のこと。


 しかし、本気になって美術館に足を運ぶ気概を持ちたいとも考えている。それを遮るのはわたしの陰気な引きこもり症のせいに他ならない。《頑張れるかな、頑張りたいな》と秘かに・・・というか無理にも思い込もうとしている本年の指針であります。

「ポラーノの広場」209。

2014-01-14 06:28:07 | 宮沢賢治
ふりかへってみるともうあのはんの木もあかりも小さくなって銀河はずうっと西へまはりさそり座の赤い星がすっかり南へ来てゐました。
 わたくしどもは間もなくこの前三人で別れたあたりへ着きました。


☆黙って照(普く光があたる=平等)を吟じている講(はなし)である。
 逝(人が死ぬ)の座(星の集まり)の釈(意味を解き明かす)。
 逝(人が死ぬ)の難(苦しみ)は既(すでに終っている)。
 全ては散(ばらばらに)尽き、別(同じでない)鬼(死者)。

『城』1504。

2014-01-14 06:13:12 | カフカ覚書
「いったい、わたしとしたことが、あなたをけしかけたりなどしていますかしら。あなたの試みていらっしゃることが成功の見込みがないと言ったからといって、けしかけたことになるのでしょうか。そんなふうにご自分の責任をわたしになすりつけようとなさるなんて、まったくあつかましいにも程があるというものですわ。


☆「あなたをけしかけたりするかしら」お内儀(言葉)は言った。試みていることが絶望的だからといって、けしかけたことになるのでしょうか。正直な所、大胆にも程があります。あなたのこのようなやり方の釈明をわたしに転嫁するなんて。

迷路。

2014-01-13 07:06:22 | 日常
 暗黙のうちにせよ、何らかの基準を持って自分の方が勝っているという自覚を持つ者は有利であり、強いと錯覚する。

 優劣を否定してしまえば、そこには勝者はなく強弱の歪みなど生じるべくも無い。それは有り得ない現実かもしれない。
 けれど、常にその精神を胸に刻んでいないと横柄になる。ただそのことに気づかないで無遠慮な発言をしてしまうことは、往々にして見受けられる現象である。

 人は神さまではない、けれどその聖域に近づこうとする精神こそが肝要なのではないか。(もちろんみんな知っている)承知した上で日常の所作において身勝手な言動を自身に許しているのは、その人が未熟だからである。


 自分ばかりはいい気になっての軽い発言に対し、いつか影のように忍び寄る得体の知れない重い報復が待っているかもしれない。
 強気な発言は、相手をやり込め相手を征服したように思われる。
(錯覚なのだ)ということに気づかない思い上がり。

 どんでん返し・・・じわじわと膨らむ復讐心、人の心理は見えない。誰がどんな牙を研いでいるかなど想定外である。
 やられたらやり返す・・・審判は天の裁きに委ねるとしても、必ずしも公平でないのが人の常。選択は自由である、それ故に起きる悲喜劇。


 人はそれぞれドラマの渦中にいる。絡み縺れつ時空を彷徨していく。
 正解はあるかもしれないが、決定的ではないので、その周りを右往左往し、事の顛末は繰り返されていく。道は真直ぐではない。迷路は人の視点からは見えない。

『ポラーノの広場』208。

2014-01-13 06:54:08 | 宮沢賢治
わたくしたちは二人、モリーオの市の方のぼんやり明るいのを目あてにつめくさのあかりのなかを急ぎました。そのとき青く二十日の月が黒い横雲の上からしづかにのぼってきました。


☆弐(二つ)の図りごと、詞(言葉)の法(やり方)の妙(不思議)を黙っている杞憂。
 章(文章)の字は、自由に化(形、性質を変えて別のものになる)を合わせていることを告ぐ。
 往(人が死ぬこと)の運/めぐりあわせを、常としている。

『城』1503。

2014-01-13 06:32:23 | カフカ覚書
これは、どうしたことですか。そもそもクラムに近づこうとすることなんかやめておきなさいと率直に忠告してくださった舌の根もかわかないうちに、お見受けしたところおなじような率直さで、クラムのところへ行く道をすすみつづけるようにとけしかけていらっしゃるーたとえその道がまったくクラムのところに通じていなくてもね。そんなことが、よくできるものですね」

 einmal(一度)→Ahn mal/先祖、汚点。
 まったく/gar・・・終った、済んだ。

☆先祖の汚点(出発点)、それについては正直な気持でクラム(氏族)に近づく努力をしている。わたしはクラム(氏族)のところへ行く方法を同じような誠実さで行こうとしているように見受けられる。
 誰しもが認めるやり方かもしれない。終わったこと(過去)を案内することは出来ません。そんなおとができるものでしょうか。

手縫いの洋服。

2014-01-12 07:18:50 | 日常
 バーゲンで購入した何の目的もなく衝動買いの生地、・・・何を作ったものやらと考えて、というか、考えないで何となくいつも通りの感じで手を動かしているうちに出来た洋服。(「すてきにハンドメイド」1月号より)
 そしてバック。「同じようなものばかり作ってどうするの?」って、自分に聞きたい。

『ポラーノの広場』207。

2014-01-12 06:50:53 | 宮沢賢治
 わたくしはもうたまらなくいやになりました。
「おい、ファゼーロ行かう。帰らう。」
 わたしはいきなり野原へ走りだしました。ファゼーロがすぐついて来ました。みんなはあとでまだがやがや云ってゐました。新しく楽隊も鳴りました。誰かの演説する声もきこえました。


☆講(はなし)の記(書き留めること)。 
 夜に現われる相(ありさま)を、磊(細かいことにこだわらない)で、運/めぐらせている。
 振(揺り動かすこと)を絡(からませる)他意の妙を推しはかる。
 掩(覆って)設(こしらえる)章(文章)である。

『城』1502。

2014-01-12 06:32:36 | カフカ覚書
それでも、この最後の、ごく小さな、いまのも消えそうな、ほんとうは全然なくなってしまったと言っていいほどの希望が、あなたにはやはりたったひとつの希望なんです。
「おかしいですね、お内儀さん。あなたは、わたしが無理にでもクラムのところへ押しかけていこうとするのを思い留まらせようとなさった。だのに、いまはわたしの願いをまったく本気にとって、もしわたしの計画が失敗したら、わたしはもう破滅したも同然だとみなしていらっしゃるようです。

 小さな/klein→klan/氏族。
 希望/Hoffnung→Hof/(天)ハロー、暈。
 すこぶる/sehr→Seher/予言者。

☆それでこの最後に姿を消した氏族は、本当は全く存在していないかのようにハロー(死の入口9にいるのです。あなたの先祖であるにもかかわらず。
  あなたはもともとよげんしゃについての試みを距離をもって支えていた。クラム(氏族)のところへ行こうとした、そして今はわたしの願いを厳格に受け取ってくれている。だから、もしわたしの計画が失敗したら無駄になるのでしょうか。