今朝のWSJ紙は、NY株式市場で、金融セクター株が、まるで狂ったかのように値上がりし、NYダウは、前日比276ドル、2.5%高、11,239ドルで取引を終了したと報じている。 子供によく見られる現象であるが、いままで天まで届けとばかり泣き叫んでいたのが、まるでウソのように突然ニコニコ笑い始めることが多いが、そんな戸惑いを正直感じた。
4~6月期の決算発表を控えて、バンクオブアメリカ22.4%、JPモルガン15.9%、メリルリンチ12%、モルガンスタンレー11.7%と値上がり幅が異常に大きいことが目立っている。S&P500種平均株価も前日比2.5%、ハイテク株指数のナスダックはそれ以上の3.1%値上がりした。
7月16日、米労働省は、6月の米消費者物価指数が予想外の1.1%増と発表した。これは年率5%の伸びである。なかでもエネルギー物価6.6%、ガソリン価格10.1%、天然ガス4.9%それぞれ上昇した。
その一方、NY原油先物市場で、WTI相場が前日6ドル、この日は4ドルと大幅値下がりし、一時バレル132 ドル台まで値下がりしたことが株式投資に安心感を与えたのかもしれない。この日の原油相場反落は、米エネルギー情報省が発表した在庫増加データと原油及びガソリン高で米国の需要が夏場のドライブシーズンで2%減るとの思惑が影響した。
考えてみれば、わずか2日間で7%以上値下がりである。一部の投資家は買い場として捉えているとWSJ紙は解説している。石油ガソリンなしでは生きていけない今の米国の生活の構造を変えられない限り石油の値段は休憩のあと再び反発するとみる方が自然だろう。
米FRBバーナンキ議長は、昨日、米議会で証言し、「米国経済はあまたの困難に直面しており正常な状態に戻すことが最優先事項である」と発言した。バーナンキ議長は、「米国のインフレ率は余りにも高すぎる。FRBの目的は物価安定である」と繰り返したと今朝のWSJ紙は紹介している。前門の虎(景気悪化)、後門の狼(インフレ)に苦吟している。
NY外国為替市場では、金融不安からここ数日ドル先安感が強まっていたが、この日の株高、原油安の恩恵を受けて、やや買い戻され、1ユーロ=1.5835ドル、1ドル=105.17円で取引された。ただ、「ドルを取り巻く環境が大きく改善した兆候は全くみられない」との一部のアナリストのコメントをWSJ紙は紹介している。
EU(欧州連合)統計局が、7月16日、6月のユーロ圏15ヶ国の消費者物価指数の上昇率(改定値)が速報値と同じ4.0% と発表した。ECB(欧州中央銀行)は先日政策金利を0.25%上げ年4.25%へと引き上げた。米国は景気に追い打ちをかける利上げは当面は難しい。金利差から見てもなかなかドルを買い上げる地合いにないこともはっきりしている。
健康と経済は共通点が多い。日頃から健康にコストを払っていてもいつ何時病気に襲われるかもしれない。経済も同じである。例えば「親の欲目」という言葉があるが、自分に都合よくつい見てしまうことを戒めた言葉である。冷静に考えて見れば、物事、何もかも自分の都合よく運ぶはずはない。
NYダウが急騰した。米国経済の実態は何も改善していない。むしろ金融危機を氷山の下に隠している。用心し過ぎることもよくないが、米国の地盤沈下の流れは変わるまい。(了)
4~6月期の決算発表を控えて、バンクオブアメリカ22.4%、JPモルガン15.9%、メリルリンチ12%、モルガンスタンレー11.7%と値上がり幅が異常に大きいことが目立っている。S&P500種平均株価も前日比2.5%、ハイテク株指数のナスダックはそれ以上の3.1%値上がりした。
7月16日、米労働省は、6月の米消費者物価指数が予想外の1.1%増と発表した。これは年率5%の伸びである。なかでもエネルギー物価6.6%、ガソリン価格10.1%、天然ガス4.9%それぞれ上昇した。
その一方、NY原油先物市場で、WTI相場が前日6ドル、この日は4ドルと大幅値下がりし、一時バレル132 ドル台まで値下がりしたことが株式投資に安心感を与えたのかもしれない。この日の原油相場反落は、米エネルギー情報省が発表した在庫増加データと原油及びガソリン高で米国の需要が夏場のドライブシーズンで2%減るとの思惑が影響した。
考えてみれば、わずか2日間で7%以上値下がりである。一部の投資家は買い場として捉えているとWSJ紙は解説している。石油ガソリンなしでは生きていけない今の米国の生活の構造を変えられない限り石油の値段は休憩のあと再び反発するとみる方が自然だろう。
米FRBバーナンキ議長は、昨日、米議会で証言し、「米国経済はあまたの困難に直面しており正常な状態に戻すことが最優先事項である」と発言した。バーナンキ議長は、「米国のインフレ率は余りにも高すぎる。FRBの目的は物価安定である」と繰り返したと今朝のWSJ紙は紹介している。前門の虎(景気悪化)、後門の狼(インフレ)に苦吟している。
NY外国為替市場では、金融不安からここ数日ドル先安感が強まっていたが、この日の株高、原油安の恩恵を受けて、やや買い戻され、1ユーロ=1.5835ドル、1ドル=105.17円で取引された。ただ、「ドルを取り巻く環境が大きく改善した兆候は全くみられない」との一部のアナリストのコメントをWSJ紙は紹介している。
EU(欧州連合)統計局が、7月16日、6月のユーロ圏15ヶ国の消費者物価指数の上昇率(改定値)が速報値と同じ4.0% と発表した。ECB(欧州中央銀行)は先日政策金利を0.25%上げ年4.25%へと引き上げた。米国は景気に追い打ちをかける利上げは当面は難しい。金利差から見てもなかなかドルを買い上げる地合いにないこともはっきりしている。
健康と経済は共通点が多い。日頃から健康にコストを払っていてもいつ何時病気に襲われるかもしれない。経済も同じである。例えば「親の欲目」という言葉があるが、自分に都合よくつい見てしまうことを戒めた言葉である。冷静に考えて見れば、物事、何もかも自分の都合よく運ぶはずはない。
NYダウが急騰した。米国経済の実態は何も改善していない。むしろ金融危機を氷山の下に隠している。用心し過ぎることもよくないが、米国の地盤沈下の流れは変わるまい。(了)