都賀川(とががわ)という幅15メートル六甲山系から大阪湾へわずか1800メートルの川が一昨日から今朝もなお、テレビ、新聞に再三取り上げられている。神戸阪神間を襲った集中豪雨が子供3人を含む4名の命を奪い、なお1名が行方不明となっているからである。
専門家は、「コンクリートで固められた川底を水が抵抗なく流れた。この構造を改めない限り再発する怖れがある」と解説していた。
NY株式市場で、金融株がリード役となり、NYダウは前日下げ分を埋めて、266ドル、2.4%高、11,397ドルで取引を終了した。今朝のWSJ紙によれば、Merrill Lynchが住宅ローン関連資産300億ドル、保有株式85億ドル売却したとの情報を材料に同社株が7.9%急騰したことが相場反発の牽引車となったと解説していた。
足元の米国経済の状況は全く変わっていない。米国経済の痛みの根源である住宅の値段は下げ続けている。ホワイトハウス、米議会、米FRBが大医師団を構成して病根を絶つべく住宅問題救済法案を成立させその成果を見守り始めたばかりである。
NYダウ反発は、原油相場反落がアシストしたと今朝のWSJ紙は解説している。NY原油(WTI)先物相場は、7月29日、前日比バレル2.54ドル、2%下げ、122.19ドルで取引を終了した。景気悪化の結果、原油ガソリン需要が落ち込むとの見方を材料にしている。
NY外国為替市場ではドルが買われた。NYダウ反発と原油値下がり、米国の消費者信頼感指数が予想より良かったことが材料に使われたと今朝のWSJ紙は解説している。1ユーロ=1.5586ドル、1ドル=108.15円で取引された。ドル円相場の値上がりは、NY株高を受けて、低金利の日本で円を借り、借りた円を売ってドルを買ったことが影響した。
ここ数ヶ月、ドルは原油相場が上がれば、物価を押し上げ、インフレ懸念から利上げ期待が生まれる。利回りからドル買い材料に使われた。ここ数日、原油相場は値下がり傾向にある。ドル反発の材料を、「原油」から「株式」に目線を変えて苦境を乗り切ろうとしている。
ドル反発には、米国経済は悪い状態が続いているが、ヨーロッパはこの先急速に悪化するという見方を材料に使っている。英国小売高がここ25年で最低を記録した。フランスの消費者信頼感指数が過去最低を記録した。欧州景気の機関車ドイツが失速を始めたと欧州の悪材料を並べている。米国金利は2%、EU金利は4.25%、「ゲーム差」は全く変わらない。
都賀川に話を戻す。神戸新聞のブログ版によれば、国土交通省六甲砂防事務所の大下正和副部長は「六甲山は海岸線までの距離が2~4キロと短く、直線的で急勾配の川が多いため、氾濫や鉄砲水が起きやすい」と指摘した。昭和13年(1938)7月、『阪神大水害』で阪神間は多数の河川が氾濫、616人が死亡、その後も鉄砲水は日常的に起こっている。
都賀川事故は河川をコンクリートで固めた構造が招いた人災である。「都市河川が突然牙をむいた。水害の恐ろしさに目を向け、防災意識を高めたい」と今朝の読売新聞は社説で取り上げた。人のからだも同じで、突然病気にならない。日々の生活の積み重ねの結果である。
原油が122ドルへ急落している。一方、中国やインドでは原油ガソリン買いに順番待ちと伝えられる。NYダウは急反発した。一方、米住宅価格は日々下がり続けている。ドルは反発した。ドル売りというコンクリート川底を流れる構造に変化はない。油断なるまい。(了)
専門家は、「コンクリートで固められた川底を水が抵抗なく流れた。この構造を改めない限り再発する怖れがある」と解説していた。
NY株式市場で、金融株がリード役となり、NYダウは前日下げ分を埋めて、266ドル、2.4%高、11,397ドルで取引を終了した。今朝のWSJ紙によれば、Merrill Lynchが住宅ローン関連資産300億ドル、保有株式85億ドル売却したとの情報を材料に同社株が7.9%急騰したことが相場反発の牽引車となったと解説していた。
足元の米国経済の状況は全く変わっていない。米国経済の痛みの根源である住宅の値段は下げ続けている。ホワイトハウス、米議会、米FRBが大医師団を構成して病根を絶つべく住宅問題救済法案を成立させその成果を見守り始めたばかりである。
NYダウ反発は、原油相場反落がアシストしたと今朝のWSJ紙は解説している。NY原油(WTI)先物相場は、7月29日、前日比バレル2.54ドル、2%下げ、122.19ドルで取引を終了した。景気悪化の結果、原油ガソリン需要が落ち込むとの見方を材料にしている。
NY外国為替市場ではドルが買われた。NYダウ反発と原油値下がり、米国の消費者信頼感指数が予想より良かったことが材料に使われたと今朝のWSJ紙は解説している。1ユーロ=1.5586ドル、1ドル=108.15円で取引された。ドル円相場の値上がりは、NY株高を受けて、低金利の日本で円を借り、借りた円を売ってドルを買ったことが影響した。
ここ数ヶ月、ドルは原油相場が上がれば、物価を押し上げ、インフレ懸念から利上げ期待が生まれる。利回りからドル買い材料に使われた。ここ数日、原油相場は値下がり傾向にある。ドル反発の材料を、「原油」から「株式」に目線を変えて苦境を乗り切ろうとしている。
ドル反発には、米国経済は悪い状態が続いているが、ヨーロッパはこの先急速に悪化するという見方を材料に使っている。英国小売高がここ25年で最低を記録した。フランスの消費者信頼感指数が過去最低を記録した。欧州景気の機関車ドイツが失速を始めたと欧州の悪材料を並べている。米国金利は2%、EU金利は4.25%、「ゲーム差」は全く変わらない。
都賀川に話を戻す。神戸新聞のブログ版によれば、国土交通省六甲砂防事務所の大下正和副部長は「六甲山は海岸線までの距離が2~4キロと短く、直線的で急勾配の川が多いため、氾濫や鉄砲水が起きやすい」と指摘した。昭和13年(1938)7月、『阪神大水害』で阪神間は多数の河川が氾濫、616人が死亡、その後も鉄砲水は日常的に起こっている。
都賀川事故は河川をコンクリートで固めた構造が招いた人災である。「都市河川が突然牙をむいた。水害の恐ろしさに目を向け、防災意識を高めたい」と今朝の読売新聞は社説で取り上げた。人のからだも同じで、突然病気にならない。日々の生活の積み重ねの結果である。
原油が122ドルへ急落している。一方、中国やインドでは原油ガソリン買いに順番待ちと伝えられる。NYダウは急反発した。一方、米住宅価格は日々下がり続けている。ドルは反発した。ドル売りというコンクリート川底を流れる構造に変化はない。油断なるまい。(了)