高校野球兵庫大会予選風景
江嵜企画代表・Ken
高校野球兵庫大会予選も早くも準決勝戦を迎えた。関西では春は「センバツ」、夏本番はなんといっても炎天下で熱戦を繰り広げる高校野球である。
この日は優勝候補の報徳学園が強豪滝川第二を迎え撃つということでさぞかし好試合が見られると期待してJR,神戸地下鉄と乗り継いではるばる神戸総合運動公園駅前にあるスカイマークまでやってきた。今年6月に古稀を晴れて迎え、お蔭で、通常大人700円のところをなんと200円である。入場券を見ると『生徒』料金とあった。
高校野球の予選が楽しいのはいったん球場に入れば何処ででも観戦できる。バックネット裏の「記者席」が空いていたのでこれ幸いと席に着いた。テーブルつきで初体験、当たり前の話だろうが、さすが「記者席」と妙に感心した。
午前10時丁度、報徳学園先攻で試合が始まった。滝川第二は報徳の先頭バッターに投手足元を抜かれてヒットを許す。そこまではいいとして二番のバントをセカンドが悪送球、三塁までランナーを走らせたあと動揺したのであろう、ワイルドピッチでやすやすと1点を献上した。
そのあとは四球、ヒット、緩慢なプレーもあって、報徳は初回4点をとり事実上勝負は決った。結果8対1,7回コールドだった。
スカイマークスタジアムは、昨年オリックス楽天戦がはじめてだった。球場全体がゆったり設計されている。改装によって何処まで改善されるか未知数だが、甲子園球場と比べて格段にきれいである。
スコアボードを正面にして大いに絵心を刺激された。外野席を背にしてビルや人家が森に隠れて一切見えない。正にスカイマークの名にふさわしい。
隣席でスケッチをさかんに覗き込んでいる気配がした。試合そっちのけで描いていると痺れを切らしたとみえて隣席からついに声がかかった。
話が弾んだ。お元気ですねと相槌をうつとそうではない。78歳で病気もちだ。携帯酸素を奥さんから持参しろといつもいわれているという。車つきのケースの中を見せてくれた。それでも野球が大好きで昨日もスカイマークへ来たと話していた。暑いですからね、お大事にと声をかけて球場を後にした。
「夏の甲子園」は目前だ。球場に出かける日が楽しみでならない。(了)