注目のFOMC(米公開市場委員会)が10月29日開催され、短期の政策目標金利を現行の年1.5%から0.5%下げ年1.0%とすると決めた。2004年6月水準に戻った。同時に出した声明文では「米国景気の下振れリスク」を指摘し、「状況によっては適切な措置〈利下げ〉を取る」と指摘した。
FOMCの決定を受け、NYダウは一時300ドル以上上げていたが、引け15分前から「0.5%利下げは景気回復にはなお不十分」として急落、前日比74ドル下げ、8,990ドルで取引を終了した。投資家の不安心理が収まっていないことを正直に示した。
NY原油〈WTI〉先物市場は、FOMCが0.5%利下げを発表、声明文で追加利下げを示唆したとして、一時バレル68.30ドルまで値上がり、67.50ドルで取引を終えた。利下げは景気回復にプラス、需要は増加する。足元のガソリン在庫は減少していると評価した。
NY金先物相場は、トロイオンス775ドルまで値上がりした。追加利下げ期待からドル相場は下落する。ドルが下がれば、安全パイとして金市場へお金が流れる。銅,スズ、アルミなどその他非鉄金属相場も値上がりした。穀物相場も小麦、大豆、トウモロコシいずれもストップ高水準まで値上がりした。ドルが下がればお決まりのコースであるから分かり易い。
NY外国為替市場では、FOMCの発表を受けて、ドルがユーロ、英ポンド、スイスフランに対して値下がりした。1ユーロ=1.2934ドル、1英ポンド=1.6347ドル、1ドル=1.1324スイスフランで取引された。一時1ユーロ=1.30ドル台までユーロ買い戻しが進んだ。
今朝のWSJ紙によると、米FRBは、資金不足から通貨が暴落しているブラジル、メキシコ、韓国、シンガポールの4ヶ国に対して合計300億ドル(約2兆9000億円)資金供給した。パキスタンは手持ち外価が枯渇してパキスタンルピーが暴落している。ハンガリーはIMFからの資金供給だけが頼りと伝えられる。
二ユーズウイーク日本版〈11月5日号〉によると、韓国ウオンの急落を紹介、韓国の不動産バブル崩壊は目前で、「李明博大統領は崖っぷちの韓国を救えるか」という記事を掲載している。韓国ではウオン急落は政権の生命線を揺さぶるお家の一大事であると捉えている。
韓国ウオンは売られている。日本円は買われている。円はドルの値下がりにも関わらず1ドル=97.22円で取引された。ユーロが上げ、1ユーロ=127.70円と小幅円が売られた。ECB、英中央銀行の利下げ期待から日銀の利下げがなければ円相場は堅調に推移するだろう。
日銀が政策金利を現行の年0.5%を0.25%下げる方向で検討していると昨日、報じられた。日銀が0.25%利下げすればせっかくの円相場上昇にブレーキがかかることになるだろう。
日本のGDPに占める輸出のウエートは直近で18%である。個人消費は55%を占める。円相場が安くなれば輸出企業にプラスになる。輸出が落ち込めば輸出関連企業に働く200万人の雇用を直撃すると危機感を煽っている。国益とは何か。国民の視点が欠落している。
原油相場が値上りし、自国通貨〈日本円〉の値打が下がればどうなるか。韓国が分かり易く教えてくれる。一方、米国は政策金利を1.0%へ引き下げた。0.75%下げを期待していたためNYダウは値下がりしたと今朝のブルームバーグは解説した。利下げはモルヒネである。ドクター・バーナンキは副作用承知でモルヒネを処方した。米国経済は重篤である。(了)
FOMCの決定を受け、NYダウは一時300ドル以上上げていたが、引け15分前から「0.5%利下げは景気回復にはなお不十分」として急落、前日比74ドル下げ、8,990ドルで取引を終了した。投資家の不安心理が収まっていないことを正直に示した。
NY原油〈WTI〉先物市場は、FOMCが0.5%利下げを発表、声明文で追加利下げを示唆したとして、一時バレル68.30ドルまで値上がり、67.50ドルで取引を終えた。利下げは景気回復にプラス、需要は増加する。足元のガソリン在庫は減少していると評価した。
NY金先物相場は、トロイオンス775ドルまで値上がりした。追加利下げ期待からドル相場は下落する。ドルが下がれば、安全パイとして金市場へお金が流れる。銅,スズ、アルミなどその他非鉄金属相場も値上がりした。穀物相場も小麦、大豆、トウモロコシいずれもストップ高水準まで値上がりした。ドルが下がればお決まりのコースであるから分かり易い。
NY外国為替市場では、FOMCの発表を受けて、ドルがユーロ、英ポンド、スイスフランに対して値下がりした。1ユーロ=1.2934ドル、1英ポンド=1.6347ドル、1ドル=1.1324スイスフランで取引された。一時1ユーロ=1.30ドル台までユーロ買い戻しが進んだ。
今朝のWSJ紙によると、米FRBは、資金不足から通貨が暴落しているブラジル、メキシコ、韓国、シンガポールの4ヶ国に対して合計300億ドル(約2兆9000億円)資金供給した。パキスタンは手持ち外価が枯渇してパキスタンルピーが暴落している。ハンガリーはIMFからの資金供給だけが頼りと伝えられる。
二ユーズウイーク日本版〈11月5日号〉によると、韓国ウオンの急落を紹介、韓国の不動産バブル崩壊は目前で、「李明博大統領は崖っぷちの韓国を救えるか」という記事を掲載している。韓国ではウオン急落は政権の生命線を揺さぶるお家の一大事であると捉えている。
韓国ウオンは売られている。日本円は買われている。円はドルの値下がりにも関わらず1ドル=97.22円で取引された。ユーロが上げ、1ユーロ=127.70円と小幅円が売られた。ECB、英中央銀行の利下げ期待から日銀の利下げがなければ円相場は堅調に推移するだろう。
日銀が政策金利を現行の年0.5%を0.25%下げる方向で検討していると昨日、報じられた。日銀が0.25%利下げすればせっかくの円相場上昇にブレーキがかかることになるだろう。
日本のGDPに占める輸出のウエートは直近で18%である。個人消費は55%を占める。円相場が安くなれば輸出企業にプラスになる。輸出が落ち込めば輸出関連企業に働く200万人の雇用を直撃すると危機感を煽っている。国益とは何か。国民の視点が欠落している。
原油相場が値上りし、自国通貨〈日本円〉の値打が下がればどうなるか。韓国が分かり易く教えてくれる。一方、米国は政策金利を1.0%へ引き下げた。0.75%下げを期待していたためNYダウは値下がりしたと今朝のブルームバーグは解説した。利下げはモルヒネである。ドクター・バーナンキは副作用承知でモルヒネを処方した。米国経済は重篤である。(了)