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G7金融不安解消策歓迎NYダウ936ドル高、NY原油82ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-14 09:06:05 | 経済学
 10月10日開かれたG7会合で「無制限のドル資金投入」をはじめとして一連の金融安定化策実施を歓迎して、週明けのNY株式市場は全面高の展開となり、NYダウは936ドル11.1%高い9,387ドルで取引を終了した。
このところの株価急落で、年金支払いにも支障を来すとのニュースがメディアにも報道されたことから、さすがの日本人も株暴落が他人事でなくなったのであろう。朝から各テレビ局がこのところの株価乱高下を報道していた。問題が起ると取り上げる恒例の図式である。
 今朝のWSJ紙によるとNYダウ採用銘柄30でGEを除き値上がりした。三菱東京との90億ドルの株取引成立のめどがついたと伝わりモルガンスタンレー株は前日比90%近く急騰した。シカゴ日経株価指数も先週末比1000円以上値上がりしている。
 NY原油先物市場では、欧米の株価急反発の地合いを受けて世界の金融市場が安定化の方向に向かい、原油消費の先行きに対する期待感から4営業日振りに反発しWTI相場はバレル82ドル、ブレント油も80ドルで取引された。今年最安値近くまで急落していた小麦、大豆、ともろこし,銅、スズ、アルミなど商品相場が揃って値上りした。
 ここ数ヶ月の一次産品相場の暴落で手ひどい打撃を受けたのがブラジルはじめラテンアメリカ諸国である。ブラジル通貨レアルは40%暴落、株価も6月末から45%急落した。ブラジルのシルバ大統領はマスコミの厳しい追及を受けて、「ブッシュに聞いてくれ。わしの責任ではない」と9月18日の演説で開き直ったと昨日のWSJ紙が紹介していた。
 株安から「質への逃避」先として買われていた金相場は3営業日続落、トロイオンス27ドル安の830ドル台で取引された。銀、プラチナなど貴金属相場も値下がりした。
 NY外国為替市場では、欧州各国首脳がG7会合のあとドイツ、フランス、英国など相次いで金融機関に対する公的資金投入を具体的に発表後、このところ売り先行だったユーロ、英ポンドに買いが入り、1ユーロ=1.35ドル台で取引された。円キャリートレードの巻き戻しから売られていたドルの対円相場もドル買いから1ドル=102円まで回復した。
WSJ紙によれば、この日の急反発も今年NYダウは29%値下がりしている。2007年10月9日に記録した14,164ドルから見れば34%安の水準に過ぎない。この先各企業は相次ぎ決算を発表する。株価急反発で一息入れたが実態経済は依然不透明であると指摘した。
銀行間取引金利の指標のLIBOR(ライボー)金利は、債券市場が、コロンブスデー休日のため取引がなくその程度引きさげられるか見極める必要があると今朝のブルームバーグニュースで一部のナリストの見方を紹介していた。銀行間で安心して貸し借り出来ないと期間限定での公的資金(劇薬)投入も描いた餅になる懸念は消えていない。
『抗ガン剤で殺される』(船瀬俊介著、発行・家伝社/発売・協栄社)を流し読みした。「抗がん剤自体が発ガン物資である」と同氏は怒りをこめて指摘、「癌治療学会は、癌の縮小効果でなく、延命効果を中心に薬効を判断すべきだとする新しい指針をまとめた」(朝日新聞2004年10月26日記事)と紹介していた。一時的な延命効果では真の幸せは得られない。
経済とからだの健康と共通点が多い。今回の巨額の公的資金投入は急場しのぎの効果は出すだろう。からだの中で細胞自身がパニックを起こしていることを忘れてはなるまい。(了)

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