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米景気後退嫌気、NYダウ203安、NY原油バレル62ドル(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-28 08:55:03 | 経済学
 G7は「円相場の急騰が世界の経済と金融に脅威を与えており円相場の動きを監視し適切な行動を取る」と異例の声明を発表した。外国為替市場はG7声明を無視した。1ドル=93円、1ユーロ=1.2530ドルで取引された。口先介入は無力であることを市場は示した。
 米FRBは10月29日開催予定のFOMC(連邦公開市場委員会)で短期の政策金利を現行の1.5%を少なくとも0.25%引き下げと市場は織り込んだようだ。バーナンキFRB議長は0.5%下げて1.0%とするのではないかとの見方も一部には出ている。
ECB(欧州中央銀行)トリシエ総裁は、スペインのマドリードで講演し、「11月6日開催予定の会合で現行3.75%の政策金利を引き下げる可能性がある」と発言したと今朝のブルームバーグ通信が報じた。最大0.5%幅の利下げもありうるとの見方も出ている。
欧米が利下げし、現行0.5%の日本の利下げがないとすれば、欧米間の金利差が縮小する。為替レートは利回り有利な方向へ動く。円が対ドル、対ユーロで引き続き買われる可能性が高い。円を買っておけば、餌にありつけると、水鳥が考えてもおかしくない。
米国政府は、日本に圧力をかけ、日本の金利を異常に低く抑えてアメリカの国債を買わせようとした経緯がある。アメリカだけで収まればまだ良かった。地球は一つ。高金利国の金融機関が異常な低金利の日本でお金を借り、自国の住宅ローン資金として個人に貸しつけた。
住宅バブルが崩壊した。借りた円を返済するための円買いが世界的規模で起っている。俗にいう円キャリートレードの巻き戻しである。このところの円相場急騰の元凶は日本の異常な低金利にあることを十分認識しなければなるまい。
円相場は対ユーロ〈115円〉、対米ドル(93円)、対英ポンド(143円)で値上がりした。さらに対豪州ドル(55円)、対NZドル(50円)である。預金を引き出して外貨預金へシフトした人も多い。全てはゼロ金利同然の異常に低い日本の金利がもたらした結果であろう。
自国通貨の値上がりはマイナス面だけではない。日本は資源のほぼ100%を海外からの輸入に依存している。他国の通貨に対して円高が進むことは国際相場が急騰していた原油はじめ鉄鉱石、食料、穀物などが安く買えるメリットがあり、国民経済的に見ればプラスである。
原油がバレル147ドルの過去最高値を更新し、重油が値上がりしたとき、漁業組合がむしろ旗をたて日本政府に抗議した。新聞メディアは一面トップで取り上げた。いま原油先物相場は半値になった。ガソリンスタンドの小売値段もリッター150円台まで下げてきた。
今朝CNNテレビを見ていたら、アメリカのガソリンスタンドの様子を写していた。なんとレギュラーガソリンでガロン1.98ドルである。一時ガロン4ドル20セントまであった。日本の新聞も抗議した漁業組合へ出かけて、原油先物相場半額の反響を是非取材して欲しい。
韓国ウオンは今朝のNY外国為替市場で1ドル=1440ウオンまで値下がりした。株価も値下がりしている。日本では円は上げたが、株価は下げ、昨日、日経ダウ7,100円台まで暴落した。石が浮かんで葉が沈む。円高は国益であることを国民の間で徹底して欲しい。
10月27日、NYダウは前日比203ドル下げ8,175ドルで取引を終了した。NY原油はバレル62ドルで取引された。いずれもアメリカの事情が招いた結果である。
日本人にもプライドがあるだろう。日本もそろそろ米国から乳離れして欲しい。〈了〉

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