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バーナンキ議長下院証言受けてNYダウ413ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-21 09:59:34 | 経済学
 米FRBバーナンキ議長が米下院で証言し、米景気はこの先数四半期悪い状態が続くと指摘、追加的財政措置を支持したことを受けて、ドル相場は対ユーロ、対英ポンドで値上り、債券は上昇(利回りは低下)、NYダウは前週末比413ドル4.7%上昇9,265ドルで取引を終了した。
NY原油(WTI)先物相場はOPEC臨時総会での減産決定を見越して2.40ドル3.3%上昇バレル74.25ドルで取引を終了した。NY金先物市場は、トロイオンス小幅上昇811ドルで取引された。大豆、ともろこし相場もつれて上昇した。
今朝のCNNテレビを見ているとNYダウが9,200ドル台と高値引けしたものの2007年につけた14,000ドルからみれば5,000ドル以上下値にあり下げ過ぎの反動であると再々指摘していた。原油相場も高値147ドルから50%下げたあとでの3.3%の反発に過ぎない。
バーナンキ議長は米住宅市場の不振が依然として続いている。自動車市場の販売不振は深刻であると指摘した。次回FOMC(公開市場委員会)での金融政策には直接言及しなかったが、マーケットは政策金利を現行の1.5%からさらに0.25%下げは確実と見ているようだ。
一部には0.5%下げて一気に1.0%まで引き下げるかもしれないとの見方も出てきている。原油相場の急落と商品相場の値下がりでインフレ懸念が大きく後退したことから思い切った利下げが可能になると指摘している。
NY外国為替市場では、1ユーロ=1.3329ドル、1ポンド=1.7141ドル、1ドル=1.1512スイスフランと対欧州通貨でのドル上昇が目立った。円相場は1ドル=102円台へ対ドルで売られた。円はこのところ対ドルで買われていたが、NY株価急反発でドル買戻しが進んだ。
欧州通貨売りの背景には欧州金融不安がある。オランダ金融最大手INGグループにオランダ政府が100億ユーロ(1兆3,700億円)の公的資金注入した。スエーデン政府が金融機関の新規債務を最大1.5兆スエーデン・クローチ(21兆円)保証すると発表した。欧州の金融不安がここへ来て大きくクローズアップされてきた。
ドルは豪州ドル、ニュージーランドドルに対しては値上がりした。俗に資源通貨と呼ばれる通貨は、原油暴落それに続く一次産品の急落を嫌気して大幅値下がしていた。今朝のNY株式市場急騰と原油相場反発を受けて買戻しが入ったと今朝のWSJ紙は解説している。
NY原油の小幅反発は、10月24日ウイーンで開かれるOPEC臨時総会で減産が決定されるとの思惑が背景にある。OPECは現在、日量3,200万バレル生産しているが日量100~200万バレル減産で調整で協議が進むと見られると今朝のWSJ紙は紹介していた。
今朝のブルームバーグニュースによるとアメリカ人が貯蓄を見直すと個人消費が一段と冷え込むだろうと解説していた。クリスマス商戦が不振に終る懸念があるとの指摘もある。お金を借りるだけ借りて即消費に回す米国人の生活パターンが一朝一夕に変わるととても思えないが個人消費が米GDPの70%近くを占めているから一連の懸念に現実味がある。
日本はどうか。世界的な金融不安も馬耳東風か、国会では与野党の駆け引きに終始している。日本をどうするという国民へのメッセージが届いて来ない。政治家はじめ人任せの風潮が日本全体に蔓延している。一人ひとりが健康に留意して乗り切る以外なさそうだ。(了)

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