シルクロード芸術特別展風景:奈良公園
江嵜企画代表・Ken
偉大なるシルク・ロード芸術特別展(期間:2008年10月5日~10月26日)の開会式、レセプション(10月4日)の招待状が在大阪ウズベキスタン共和国名誉領事の東浦利夫さんから光栄にも送られてきた。千歳一隅のチヤンスとはこのようなことを言うのであろう。取るものとりあえず出かけた。
奈良は神戸に住んでいるものでも近いようで遠い。ここ3~4年ご無沙汰していた。来年3月20日から阪神電車が神戸三宮から奈良まで乗り換えなしで行けるようになるので奈良を訪れる機会が増えるかもしれない。
近鉄奈良駅に着いてタクシーをひろった。いつものようにドライバーとの会話が始まる。「平日なのにえらい人出ですね」と水を向けた。「土、日はこんなもんやおまへんで。この道なんか渋滞して前へ進めへんでしたわ」と言うのである。日本全体では不景気というが誠に結構な話である。
開会式は午後4時からで少し時間がある。いつものように着くなり会場になった奈良公園シルクロード交流館(0742-22-0375)の建物前からスケッチを始めた。
開会式が始まった。来賓挨拶では荒井奈良県知事、「塩爺」こと塩川正十郎東洋大学総長、拉致問題で有名な中山恭子内閣総理大臣補佐官、高市早苗産業副大臣、ウズベキスタン共和国大使、ミルソビット・オチロフ氏、薬師寺管主、安田英胤氏等と続いた。
中山さんは99~2001年ウズベキスタン大使を務めたので思い入れも強い。はじめてウズベキスタンの布を見たとき日本へここから伝わってきたのだなと感慨深いものがあったと挨拶された。
ウズベキスタンは紀元前4世紀に始まる。シルクロードの中心地として栄えた。現在の人口は2700万人、中央アジの半数を占める。希少金属レアメタルの最大の産地としても世界中が注目している。
成田から直行便が週2遍(関空経由)タシケントまで出ている。世界遺産のサマルカンドは特に人気が高いそうだ。
開会式のあと特別展会場では今回展示された色鮮やかな織物イカットが目をひいた。緯糸に綿糸、縦糸に先染め絹糸を使ったもの、経緯に先染めの絹糸を使って出来た織物が並んでいた。2~3世紀の絹織物も出土している。刺繍はスネザという。19世紀には刺繍がはやった。往時をしのばせる刺繍も見られた。
常設展展示場には仏教遺跡から出土した仏像、墓、祭祀用の器具などが展示されており見ごたえがあった。日本は10年以前から仏教遺跡発掘に参加している。
会場を奈良県新公会堂に移してレセプションが午後6時からはじまった。乾杯の音頭を現地の仏教遺跡で当初から発掘調査を続けておられる加藤九祚国立民族博物館名誉教授が務めた。
民族舞踊団「オファリン」ではムノジャット・ユリーチェヴァさんがすばらしい歌を披露した。民族舞踊も色鮮やかなコスチュームで踊り会場を魅了した。
1回目のコンサートの後、東浦さんは、「ウズベキスタンを訪れた日本人のすべてが楽しい気持ちになって帰国する。礼儀正しく優しい。日本人と同じで、ホスピタリティがある国民だ。」と挨拶された。
北河原公敬東大寺上院院主は「本日いろいろな方の話を聞いて、ウズベキスタンは遠くて近い国だと思う」と挨拶された。
舞台正面にかけられた織物について、マンスール・バヒリディノフ ウズベキスタン文化芸術フオーラム基金駐日代表に尋ねたところ、「3つの輪は太陽を象徴している。日本でいう簾に似た織物です。その中にある8つの丸は人の性格を現している」と興味深い話を流暢な日本語で説明していただいた。
レセプション会場の様子をスケッチした。(了)
レセプション風景・ウズベキスタンの歌と踊り
江嵜企画代表・Ken