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金融収縮収まらずNYダウ678ドル暴落(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-10 09:15:53 | 経済学
 10月9日、NYダウは協調利下げなど一連の金融不安解消策を期待して前日比高く始まったが、終ってみれば前日比678ドル、7.3%安い8,579ドルで取引を終了した。興味のない人にはどうでもいい数字であろうが、CNNテレビを見ているとコメンテーターの声が悲鳴のように聞こえた。日本では今回の金融危機も他人事ととらえている人が依然として多い。
 GM(ジェネラルモーター)の株価が31%値下がりした。モルガンスタンレー株は26%急落した。GMは自動車メーカーである。モルガンは金融機関である。モルガンとGMは共に金融収縮によって機能不全を起こしていると今朝のWSJ紙は解説していた。
NYダウは7日連続で安値を更新した。年初から39%値下がりした。医者がいろいろ処方を提案して「大丈夫ですよ」と言っても患者(投資家)自身が自信を持てないからだろう。
 経済の世界ではお金は血液のようなものである。人間のからだでいえば、血液の流れが悪くなると病気になる。米FRBが政策金利を2.0%から0.5%引き下げても、銀行間で貸し借りする3ヶ月物金利は4.75%へむしろ上昇している。欧州の銀行も同じである。
人間のからだでも恐怖心を持つと血管が収縮する。金融機関が恐怖感を持ち血管収縮を起こしている。世界全体ではお金が有り余っているといわれる。しかし、借りたい人がお金を借りられない。株を売って現金(血液)に換えている人が後を絶たないから株価が下がる。
株を売って現金化したお金の一部が金市場に流れている。この日も株が急落する直前までは金相場はトロイオンス880ドル台まで値下がりしていた。ところが株が下がり始めたとたん金相場は一気に上昇915ドルで取引されたとCNNテレビが紹介していた。
NY原油先物市場では、WTI(軽質油)相場が5%強値下がりバレル86ドル台で取引された。OPECは先行きの需要減を見越して次回11月総会で減産を討議するようだ。
NY外国為替市場では円が買われ1ドル=99円台で取引された。安い金利で円を借り、豪州ドルや米ドル、ユーロ買いの巻き戻しが起こった結果である。俗に言うキャリートレードの巻き戻しが続く限り当面、円が対ドルなどで値上がりする可能性が大きい。
ニューズウイーク日本版最新号(10月15日号)が駅の売店で売られている。「金融立国イギリスが危ない」という優れものの記事が出ていた。今朝のブルムバーグニュースでは英国の8月の住宅の値段が前年比12.5%値下がりしたと報じている。
いくら輸血をしても住宅市場での出血が止まらない。今回の金融不安はサブプライムローン問題が病気の元凶だ。住宅市場で出血が続いている限り金融不安は解消しないだろう。
IMFの調べでは欧米の金融機関の損失は1.4兆ドル(140兆円)を超えるといわれる。IMFは発表するたびに損失額を増やしている。ただ、サブプライムローン関連の損失は落ち着いている。むしろそれ以外の分野の金融派生商品などでの損失が増加していると発表した。
米FRB(連邦準備制度理事会)は米保険大手AIGに対して、9月16日の610億ドルに追加して新に378億ドル(3兆7,800億円)融資すると発表したと今朝の讀賣新聞に出ていた。米FRBがなりふり構わず動き出したということは金融問題が重篤である証である。
NYダウ678ドルの暴落は何を意味するのか。医者の言葉を患者が信用していないからである。不信感が恐怖感を増幅する悪の連鎖が絶たれぬ限り金融収縮に終わりはない。(了)

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