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米景気後退不安から金融不安解消策もNYダウ76ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-15 09:39:28 | 経済学
 ブッシュ米大統領は10月14日、テレビ演説し、JPモルガンなど主要銀行9社との間で1,250億ドル(13兆円)の公的資金投入が決ったと発表した。公的資金投入の見返りに銀行役員の報酬削減や住宅差し押さえの危機にある借り手への支援も同時に行うとの考えを示した。
NYダウは大統領演説を好感してはじめ前日比4%強上げるなど好スタートを切った。しかし、あと風船の空気が抜けるように値下がりし一時3%下げた。その後多少は持ち直したが、投資家の米国経済への先行き不安から前日比76ドル安い9,310ドルで取引を終了した。
金融機関への公的資金投入により、銀行間での貸し出しライボー金利が低下、3ヶ月物で4.75%が4.65%へ低下した。特に1ヶ月物は4.07%へ下げた。ただ0.5%下げて年1.5%となった短期の米政策金利との格差は3%あり、銀行の貸し渋りスタンスは解消していない。
 NY原油先物市場では、WTI相場がバレル1.93ドル下げ79.26ドルで取引された。ブレント油は1.93ドル値下がりしバレル76.97ドルで取引された。米景気後退が続きガソリンはじめ米国の原油消費が減少するとの悲観的思惑が働いた。NY株式相場は安値から10%以上反発したが、原油相場は1%程度の反発に止まっている。
今朝のブルームバーグニュースによれば、スタンド売りのガソリン価格がガロン33セント急落、3ドル20セント台まで値下がりした。ガソリン価格は原油がバレル150ドル目前の3~4ヶ月以前にはガロン4ドルを越えていたから正に様変わりである。
NY外国為替市場では、一連の金融不安解消策の発表を受けて、ドル、ユーロが買われた。特に対円では一時1ドル=103円台、1ユーロ=141円台まであった。ドルは対ユーロで売られ、1ユーロ=1.3623ドル台とユーロ買戻しの動きが見られた。
ドルの反面教師である金相場はどうか。NY金先物市場では、欧米での金融救済策の発表を受けて、安全資産としての評価が後退、4営業日連続で下げ、トロイオンス834ドルで取引された。金相場はユーロ高ドル安の流れを受けて高値1000ドルをつけたあと調整している。ただ、一年前の600~650ドルからは200ドル以上値上がりしている。
今朝のWSJ紙によると、リタイリー(退職者)がこのところの株価急落による資産目減りに頭を抱えていると紹介していた。株が暴落した。住宅不動産の価格の値下がりが追い討ちをかけている。この先貯金の食いつぶしピッチが早まると危惧している。
米国経済のリセッション入りがはっきりしてきたことで、スポーツ関係の興行収入にも陰を落とし始めたとWSJ紙が紹介している。プロ野球球団のマリーンズのフロリダ球場の老朽化が進んでいるが予定されていた改修工事延期が決まった。球場の年間シートの売り上げが昨年同期の野80%以下に落ちた。
プロ野球だけでない。観客数減を見越して、ナショナル・バスケット協会は来年1月5日まで期間限定で「バイナウ・ペイレイター」シーズンチケットキャンペーンをはじめた。シテイーグルプやバークレイは多くのスポーツ施設に社名を販売していたが見直しする。
アメリカ人が借金をしながら金を遣い放題してくれたから世界のお金が回った。金の切れ目は縁の切れ目である。NYダウの今朝の乱高下を他人事として見過ごし出来ない。(了)

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