(学校で教えてくれない経済学)
26日のWSJ紙は、ECBトリシエ総裁はギリシャ支援策がまとまったことを受けて「extremely happy」と語った。前日、彼は「very,very bad」と発言していたと書いていた。
26日のNY外国為替市場で、ユーロが対ドルで買われ、1ユーロ=1.3407ドルと前日の1ユーロ=1.3306ドルから約1%値上がりした。ユーロは10ケ月前は1ユーロ=1.50ドル台だった。ギリシャ問題が昨年秋以降表面化したあと急落していた。
25日のWSJ紙は、中国人民銀行の朱民副総裁が香港での会合で、ギリシャの債務は比較的小規模だが、スペイン、ポルトガルへの波及を懸念している。先進国は今後数年間、高水準の債務により低成長を余儀なくされる。米国の債務は2~4年で、GDPの110%に達する。先進国は大量の国債を発行して重荷を子孫に付け替えていると批判したと書いていた。
IMFの統計によると、ユーロ建ての資産が全体の3分の1を占める。中国はそれをやや下まわると見られるが、ユーロ資産の割合は高い。中国の見解が注目されていた。朱副総裁は09年に中国人民銀行に入行、10年2月にストロスカーンIMF専務理事の特別顧問に指名された人物であるとWSJ紙は紹介していた。
26日のNY外国為替市場で、ユーロが1%値上がりした。しかし、WSJ紙は、「短期的には熱は冷めた。しかし、まだギリシャ救済策の全貌がクリアになっていない。高い借入れコストがギリシャ財政赤字を引き続き圧迫する。」との専門家の見方を紹介していた。
今朝のNHK・BS「世界のニュ-ス」でドイツテレビは、メルケル首相が「あくまで緊急事態にのみ実施される。全体としては満足している」と語った。IMFが100億ユーロ、ユーロ圏が150億ユーロを融資する。ドイツはこの内27%を占めると紹介していた。
日本ではギリシャ問題もユーロ相場も一般庶民の間では話題にならない。為替問題でも海外旅行へ出かける前にユーロをいくらで買った。損した儲けた程度である。企業でも為替は財務の問題だと経営トップでも人任せの人が、一般論であるが、ほとんどであろう。
日本では、為替政策が、一国の安全保障にも直接間接に関わってくる重大問題であるとの認識が特に政治家に希薄である。自国通貨の値打ちが下がる円安を喜び、値打ちが上がる円高を嫌悪する。メルケル首相は、ギリシャ問題解決を放置すれば、共通通貨ユーロの信認をも揺るがしかねないとの危機感を持ったからであろう。
ユーロ相場は、トリシエ総裁の発言でコロコロ変わる。しかし、目先の動きに騙されないことだ。欧米先進国の財政赤字を非難した中国人民銀行副総裁の発言に注目したい。(了)
26日のWSJ紙は、ECBトリシエ総裁はギリシャ支援策がまとまったことを受けて「extremely happy」と語った。前日、彼は「very,very bad」と発言していたと書いていた。
26日のNY外国為替市場で、ユーロが対ドルで買われ、1ユーロ=1.3407ドルと前日の1ユーロ=1.3306ドルから約1%値上がりした。ユーロは10ケ月前は1ユーロ=1.50ドル台だった。ギリシャ問題が昨年秋以降表面化したあと急落していた。
25日のWSJ紙は、中国人民銀行の朱民副総裁が香港での会合で、ギリシャの債務は比較的小規模だが、スペイン、ポルトガルへの波及を懸念している。先進国は今後数年間、高水準の債務により低成長を余儀なくされる。米国の債務は2~4年で、GDPの110%に達する。先進国は大量の国債を発行して重荷を子孫に付け替えていると批判したと書いていた。
IMFの統計によると、ユーロ建ての資産が全体の3分の1を占める。中国はそれをやや下まわると見られるが、ユーロ資産の割合は高い。中国の見解が注目されていた。朱副総裁は09年に中国人民銀行に入行、10年2月にストロスカーンIMF専務理事の特別顧問に指名された人物であるとWSJ紙は紹介していた。
26日のNY外国為替市場で、ユーロが1%値上がりした。しかし、WSJ紙は、「短期的には熱は冷めた。しかし、まだギリシャ救済策の全貌がクリアになっていない。高い借入れコストがギリシャ財政赤字を引き続き圧迫する。」との専門家の見方を紹介していた。
今朝のNHK・BS「世界のニュ-ス」でドイツテレビは、メルケル首相が「あくまで緊急事態にのみ実施される。全体としては満足している」と語った。IMFが100億ユーロ、ユーロ圏が150億ユーロを融資する。ドイツはこの内27%を占めると紹介していた。
日本ではギリシャ問題もユーロ相場も一般庶民の間では話題にならない。為替問題でも海外旅行へ出かける前にユーロをいくらで買った。損した儲けた程度である。企業でも為替は財務の問題だと経営トップでも人任せの人が、一般論であるが、ほとんどであろう。
日本では、為替政策が、一国の安全保障にも直接間接に関わってくる重大問題であるとの認識が特に政治家に希薄である。自国通貨の値打ちが下がる円安を喜び、値打ちが上がる円高を嫌悪する。メルケル首相は、ギリシャ問題解決を放置すれば、共通通貨ユーロの信認をも揺るがしかねないとの危機感を持ったからであろう。
ユーロ相場は、トリシエ総裁の発言でコロコロ変わる。しかし、目先の動きに騙されないことだ。欧米先進国の財政赤字を非難した中国人民銀行副総裁の発言に注目したい。(了)