神戸市立住吉幼稚園風景
江嵜企画代表・Ken
自宅マンションの窓から斜め正面に神戸市立住吉幼稚園がよく見える。オルガンに合わせて力一杯歌う園児の声にいつも元気をもらっている。ここ数日、足痛のため出かける機会がないことを幸いに、横着して窓からスケッチを試みた次第である。
土管の上を昇り降りしている姿が真っ先に目に飛び込んできた。彼らの動きを観察していると、じゃんけんをして負けたら降りる、勝てば残るゲームだと分かった。彼らの声は聞こえないが、キャッキャ言いながら楽しんでいるようだ。
隣には親が付き添って、三人の子供がブランコに興じていた。ブランコの後ろにはトンがり帽子をいただいた塔がある。塔のサークルにぶら下がって遊んでいた。背丈から見て年長組と思われる。
住吉幼稚園のお陰で見通しが良い。建物の間にJR神戸線を走る電車が見える。線路の奥には昨年新築されたCOOP神戸本部ビル、右横の建物はJR住吉駅ビルで、その中にはLIV Seer(シ―ア)が入っている。
画面右の木が集まっているところは本住吉神社である。住吉神社と名のつく神社は日本全国にごまんとあるが、なぜか、「本」住吉神社と呼んでいる。
余談ながら、神戸銘菓「きんつば」の老舗にも本高砂屋という店がある。門外漢にとっては、安くてうまければ、どうでもいいことのように思うが、ご本人は真剣なのだろう。
スケッチを描き終わった頃から神戸は雨になった。この頃の気候を三寒四温という。ひと雨ごとに春が近付いていることを実感する。俳句に造詣が深い高校同窓のAさんが、催花雨という言葉を教えてくれた。言い得て妙だと、つくづく感心した。
スケッチ正面は桜の木である。近寄って見るといつ開いてもいいですよ、と言わんばかりにはちきれんばかりの蕾がスタン・バイしていた。桜の花が満開になる頃には、新しい園児が庭一杯走りまわる元気な姿を見せてくれるだろう。
当たり前のように歩いていた男が今は杖をついて歩いている。普通に歩けるということがいかに幸せなことであるかを改めて実感している次第である。(了)