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7,500億ユーロ救済策は、ギリシャ悲劇の第一幕か?(学校で教えてくれない経済学)

2010-05-12 08:51:49 | 経済学
ギリシャでいま何が起こっているの?と小学校の生徒に聞かれたら、教室で、先生は子供たちになんと答えているのだろうか。筆者が教師なら、「アリとキリギリス」の物語を読んでごらんと言う。「猫とネズミの話」を子供に聞かせてやればもっと面白いかもしれない。

経済の話しはむつかしいと鼻から取りあわない人が日本人には結構多い。卑近な例では、貯金箱のない家庭も増えた。「貯金箱って何?」と、逆に子供に聞かれるのがオチかもしれない。ゼロ金利が、まっとうな金銭感覚さえ狂わせてしまったと常々思っている。

EUとIMFが10日、ギリシャ支援で7,500億ユーロ(約1兆ドル)の資金を用意することを決めた。放置すればギリシャ一国の問題にとどまらず、欧州全体に広がり、それがアメリカにまで飛び火すると心配した。ECB(欧州中央銀行)も米FRB(連邦準備制度理事会)も、制限なしに、破たんの可能性のある全ての国にお金を供給すると約束した。

10日の株式市場は当面の火災は収まると受け止め、アジア、欧州、アメリカともに買い安心感から、株価は大幅に値上がりした。一夜明けた11日、アジア株がまず下げ、欧州株も前日の上げの反動から下げた。

11日付けのWSJ紙によれば、問題のスペインは14.4%高から3.3%安、ポルトガルは10.6%高から2.2%安へ、おひざ元のギリシャ株は9.1% 高から2.8%安へそれぞれ値下がりした。上げ過ぎの反動の面もあろうが、今回の救済策を腹の底では信用していない証だ。

11日のNY外国為替市場では、10日の1ユーロ=1.2775ドルから1.2684ドルへユーロは対ドルで値下がりした。一方、ドルは対ユーロで値を上げたが、対円では下げ、1ドル=93.15円から92.69円へ値下りした。ユーロもドルも上がりたがっていないことがわかる。

11日の原油(WTI)相場は、バレル13セント高の76.93ドルで取引された。一方、ドルとユーロの反面教師である金相場は、31ドル上げ、オンス1,232ドルと史上最高値を更新した。銀相場も堅調でオンス19.50ドル台へ上げた。ペーパーマネーを信用していない。

11日のNY株式市場は、ユーロ救済措置に不透明感が付きまとっている。4月の中国の物価指数が上昇したことで中国政府が金融引き締めを強化するとの思惑から、資源関連株が下げをリード、NYダウは、前日比36ドル安、10,748ドルで取引を終了した。

ギリシャ救済でネズミが集まって協議した。猫に鈴を付けることは決った。しかし、ECBは証文の中身を精査せず不良国債を買い上げることを決めた。堅持してきた独立性と信頼をECBはあっさり失った。今回の取り決めはギリシャ悲劇の第一幕かもしれない。(了)

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