東方彩夢 森田りえ子展
江嵜企画代表・Ken
パリ展帰国記念 「東方彩夢 森田りえ子展」が大丸ミュージアムKYOTOで5月24日まで開催されている。昨年5月のパリ展の後、東京、福岡、名古屋と回り、国内3ケ所で既に延べ9万人が訪れたという。今回の展覧会で見納めとなる金閣・鹿苑寺方丈に収められる杉戸絵「春夏秋冬」が本展覧会の目玉の一つとなるであろう。
会場入り口正面に花魁を描いた絢爛豪華な作品「竜宮」が訪れる人の目をまず引きつける。パンフレット表紙を飾った舞子像「粧II」、箱根芦ノ湖「成川美術館」蔵の四曲一双屏風「春朧朧」と続く。王禅寺境内にある樹齢800年、今もなお季節ごとにたわわに実を付ける柿の木を描いた「王禅寺丸柿絵」の前の椅子に座って会場の様子をスケッチした。
初日午後2時から森田りえ子画伯のトークショーが開かれた。会場のスペースに入りきらない盛況だった。過去幾多のトークショーでも数多くの森田語録を残している。この日は「花を描いていると花が私に語りかけてくる。その時、命の大切さを花が教えてくれる。花からいただいたエネルギーを自分が描いた絵に出さねばならないと思っている。」という言葉が特に印象に残った。
パリの会場でアンケート用紙を配った。フランスの方々から思い出に残るすばらしい多くの感想をいただいた。それに習って日本でも会場にアンケート用紙を配った。2~3ケ月で臨月を迎えるというあるご婦人のアンケートに「おなかの中の子は、きっと美術が好きになるだろうと思う」と言う言葉があり、読んで胸がジーンと熱くなった。面白くなかったら面白くないと書いて欲しい。アンケートを読むのが毎日楽しみですと話された。
名古屋会場のエピソードの一つとして、若者の多くが携帯電話で会場のいたるところで「写メール」を送り合いをしていた。写メールを見たので来たと言う人が大勢いた。写メールの威力はすごい。時代を感じた、と話しておられた。
京都展は森田画伯のお住まいのある地元であり、京都が最後ということもあって、毎日会場に出ておられるそうだ。余談ながら、日替わりの彼女の着物姿も楽しみの一つだろう。ひと声かけて彼女との2ショットをおねだりしてみたら、タイミングさえよければ、気軽にOKしてくれるかもしれない。一人でも多くの方に是非、大丸京都展6階の会場へ足を運んでいただければ有難い。(了)