(学校で教えてくれない経済学)
中国の外貨準備高は年々増え、2011年末時点で3.2兆ドル(約260兆円)に達した。ところが、アメリカドルの比率が、2010年の65%から2011年は54%へ低下した。中国は「全ての卵を同じ籠に入れるな」ということわざを守ろうとしていると、3月1日付けのWSJ紙電子版で、Tom Orlik記者、Bob Davis記者連名で書いていた。
中国が米ドルに対して腰が引けているのはなぜか。中国が外貨保有を多角化に踏み出した一つのきっかけに昨年財政赤字拡大にからアメリカがデフォルト(債務不履行)に陥るとして格付け会社が、アメリカの国債に格下げした。中国は昨年6月から年末にかけて外貨保有を7,430億ドル増やし3.2兆ドルとした。同期間、米ドルは1,150億ドル増にとどまった。
サマーズ元米財務長官は「中国はInvestmentDecision(投資判断)ではなくPolicy Decision(政治判断)で保有外貨を決定している」と語ったと紹介していた。今年2月、胡錦涛中国国家主席は、「ヨーロッパは、中国の外貨多角化する主要な投資先である」と語った。EFSF(欧州金融安定化基金)は、EFSFボンド、2011年1~6月期、3回に分けて総額130億ユーロ発行したが、その内、日本を除く、中国が大部分を占めるアジアが14~24%を占めたとEFSF,Klaus ReglingCEOは話したなどと紹介していた。
中国が政治、軍事、経済全てにわたって世界に存在感を強めている。日本には基本的に国家として通貨政策を持ち合わせていないかに見受けられる。卑近な例では経団連から圧力がかかると一時的にドル買い・円売り介入する。介入しましたとポーズだけ示して、お茶を濁す。中国は一貫して人民元を米ドルとリンクさせて固定相場を堅持している。1日付けのWSJ紙記事はアメリカ政府が中国の通貨政策に神経を尖らせている側面を見せてくれた。
一方、今朝3月2日の 「ワールドWaveMorning」で、シンガポールCNAが「プーチンのロシア大統領返り咲きを中国は歓迎している。プーチンを古き良き友人と呼ぶ人が多い」と紹介していたことに、面白いなと思った。ロシアでは賄賂が横行、不正選挙が平然と行われている。そのためプーチンが大統領に就任することに多くのロシア市民はうんざりしていると今朝の「ワールドWaveMorning」(世界の扉)で伝えていた。3月4日の選挙ではプーチン再選で決まりのようだが、心配しても始まらないと言われそうだが、日本政府の対ロシア政策はどうなっているのか気がかりだ。
1日付けのWSJ電子版は、NY原油相場が、サウジアラビアでパイプラインが爆破されたとのニュースを材料にWTIがバレル110ドル,ブレント原油が同128を突破したと報じていた。この日はイラン関連では表立ったニュースはなかった。しかし、イランでは、イスラエルによるイラン核施設空爆のうわさが絶えない。3月2日の国民議会選挙では改革派は劣勢だ。核開発で前向きのハメネイ派が議席を伸ばすとの見方をドイツZDFが伝えていた。
2日のNY株式市場で、NYダウは、前日比28ドル高、12,980ドルで取引を終えた。ブルームバーグニュ-スにゲスト出演したディ-ラ―、BenWillis氏は「13000を超えた割ったという話は、我々プロには関係ない。ただ、個人投資家にとっては13,000を超えた方が都合がいいのだろう。その程度のことだ。」などとそっけなかった。そんなことに一喜一憂してもはじまらないといいたげだった。日本人だったら、そうだと、思っていても口に出さない。プロから見れば、相場の世界はトレンドの方がはるかに大事なのであろう。
「ワールドWaveMorning」(経済情報)に出演した大和証券、キャピタルマ―ケッツアメリカ、長谷川誠氏は「米雇用回復が確認された、スペイン、ポルトガル国債入札が無難に終わってヨーロッパ不安が緩和した。為替市場では、日本の貿易赤字拡大の情報から、ひところの輸出国ニッポンイコール円高の空気が影をひそめている。この先米国経済の改善データが相次ぎ出て来ると、円安・ドル高が進むと予測している」などと話していた。ただ、3日朝の「モーニングサテライト」に出演したある為替ディーラ―は、米国は巨額の財政赤字を抱えている。長期的にはドル安・円高だろうと予測していた。
2日のNY外国為替市場では、1ドル=81.11~13円、1ユーロ=107.98~02円で取引された。NY原油(WTI)先物相場は1.77ドル高、108.84ドル、NY金先物はトロイオンス11.20ドル高、1,721.10ドルで取引された。
先日ある倒産会社の社長が「想定外の円高が進んだ結果だ。会社更生法適応は止むを得ない選択だった」と平然と記者会見の場で話していた。企業どころか、日本は国自体に基本的な通貨政策がない。日本とは、そういう国である。(了)
中国の外貨準備高は年々増え、2011年末時点で3.2兆ドル(約260兆円)に達した。ところが、アメリカドルの比率が、2010年の65%から2011年は54%へ低下した。中国は「全ての卵を同じ籠に入れるな」ということわざを守ろうとしていると、3月1日付けのWSJ紙電子版で、Tom Orlik記者、Bob Davis記者連名で書いていた。
中国が米ドルに対して腰が引けているのはなぜか。中国が外貨保有を多角化に踏み出した一つのきっかけに昨年財政赤字拡大にからアメリカがデフォルト(債務不履行)に陥るとして格付け会社が、アメリカの国債に格下げした。中国は昨年6月から年末にかけて外貨保有を7,430億ドル増やし3.2兆ドルとした。同期間、米ドルは1,150億ドル増にとどまった。
サマーズ元米財務長官は「中国はInvestmentDecision(投資判断)ではなくPolicy Decision(政治判断)で保有外貨を決定している」と語ったと紹介していた。今年2月、胡錦涛中国国家主席は、「ヨーロッパは、中国の外貨多角化する主要な投資先である」と語った。EFSF(欧州金融安定化基金)は、EFSFボンド、2011年1~6月期、3回に分けて総額130億ユーロ発行したが、その内、日本を除く、中国が大部分を占めるアジアが14~24%を占めたとEFSF,Klaus ReglingCEOは話したなどと紹介していた。
中国が政治、軍事、経済全てにわたって世界に存在感を強めている。日本には基本的に国家として通貨政策を持ち合わせていないかに見受けられる。卑近な例では経団連から圧力がかかると一時的にドル買い・円売り介入する。介入しましたとポーズだけ示して、お茶を濁す。中国は一貫して人民元を米ドルとリンクさせて固定相場を堅持している。1日付けのWSJ紙記事はアメリカ政府が中国の通貨政策に神経を尖らせている側面を見せてくれた。
一方、今朝3月2日の 「ワールドWaveMorning」で、シンガポールCNAが「プーチンのロシア大統領返り咲きを中国は歓迎している。プーチンを古き良き友人と呼ぶ人が多い」と紹介していたことに、面白いなと思った。ロシアでは賄賂が横行、不正選挙が平然と行われている。そのためプーチンが大統領に就任することに多くのロシア市民はうんざりしていると今朝の「ワールドWaveMorning」(世界の扉)で伝えていた。3月4日の選挙ではプーチン再選で決まりのようだが、心配しても始まらないと言われそうだが、日本政府の対ロシア政策はどうなっているのか気がかりだ。
1日付けのWSJ電子版は、NY原油相場が、サウジアラビアでパイプラインが爆破されたとのニュースを材料にWTIがバレル110ドル,ブレント原油が同128を突破したと報じていた。この日はイラン関連では表立ったニュースはなかった。しかし、イランでは、イスラエルによるイラン核施設空爆のうわさが絶えない。3月2日の国民議会選挙では改革派は劣勢だ。核開発で前向きのハメネイ派が議席を伸ばすとの見方をドイツZDFが伝えていた。
2日のNY株式市場で、NYダウは、前日比28ドル高、12,980ドルで取引を終えた。ブルームバーグニュ-スにゲスト出演したディ-ラ―、BenWillis氏は「13000を超えた割ったという話は、我々プロには関係ない。ただ、個人投資家にとっては13,000を超えた方が都合がいいのだろう。その程度のことだ。」などとそっけなかった。そんなことに一喜一憂してもはじまらないといいたげだった。日本人だったら、そうだと、思っていても口に出さない。プロから見れば、相場の世界はトレンドの方がはるかに大事なのであろう。
「ワールドWaveMorning」(経済情報)に出演した大和証券、キャピタルマ―ケッツアメリカ、長谷川誠氏は「米雇用回復が確認された、スペイン、ポルトガル国債入札が無難に終わってヨーロッパ不安が緩和した。為替市場では、日本の貿易赤字拡大の情報から、ひところの輸出国ニッポンイコール円高の空気が影をひそめている。この先米国経済の改善データが相次ぎ出て来ると、円安・ドル高が進むと予測している」などと話していた。ただ、3日朝の「モーニングサテライト」に出演したある為替ディーラ―は、米国は巨額の財政赤字を抱えている。長期的にはドル安・円高だろうと予測していた。
2日のNY外国為替市場では、1ドル=81.11~13円、1ユーロ=107.98~02円で取引された。NY原油(WTI)先物相場は1.77ドル高、108.84ドル、NY金先物はトロイオンス11.20ドル高、1,721.10ドルで取引された。
先日ある倒産会社の社長が「想定外の円高が進んだ結果だ。会社更生法適応は止むを得ない選択だった」と平然と記者会見の場で話していた。企業どころか、日本は国自体に基本的な通貨政策がない。日本とは、そういう国である。(了)