(学校で教えてくれない経済学)
「揺らぐ共産党体制、不安な中国」と言うタイトルで、近着のニューズウイーク誌日本版は、重慶市元トップ、薄熙来が失脚した重慶スキャンダルを特集し、その中で「当の事件で地に落ちた中国と共産党のイメージ回復が習近平の初仕事になるだろう。しばらくはこわもてな中国をみなくても済むかもしれない。」と同誌記者の長岡義博記者が書いていた。メリンダ・リウ支局長は「大衆迎合的な共青団とエリートで保守的な太子党の意見が一致するようになったわけではない。今回の事件で、習近平の手腕が試されるだろう。」と書いていた。
18日付けのWSJ紙も重慶スキャンダルを多くのページを割いて取り上げた。2011年の中国のGDP(国内総生産)は9.2%増加した。中でも重慶は16.4%増加して群を抜く成長を記録した。それを支えたのがスキャンダル張本人の薄の積極的な公共投資であった。事件発覚後、薄が進めていた1億5千万元プロジェクトが一挙に3千万元へ削減された。低所得層240万人用に計画されていた住宅建設が消えた。重慶商業銀行の株価がスキャンダルが公にされたあとここ2日で14%急落したなど様々な形で世界第2の中国経済に影を落とし始めたと書いていた。
人間の健康でもそれは同じである。からだのどこにも問題を抱えていない人はいない。しかし、それが一端、公になると、その人間に対する評価が一変する。中国は様々形で問題を抱えていた。それが厳重な報道規制と2ケタ台を維持できた経済成長の陰に隠されてきていた。今回の重慶スキャンダルは、共産党一党独裁体制に亀裂が生じる事態にまで発展する可能性を秘めた大事件であると先のニューズウイーク誌もWSJ紙も指摘していた。特に政治の世界では他国にちょっとしたほころびも見せられない。今回の重慶スキャンダルのリスクには警戒が必要だろう。
ただ、今朝6時台の「ワールドWaveMorning」では、重慶スキャンダルに関するニュースはなかった。中国CCTVは、インドが18日に打ち上げを予定していたミサイル打ち上げ実験が19日に延期されたことを伝え「インドの烈火-5号は3つの弱点がある」と指摘、①ロシアから購入した80年代ないしはせいぜい90年代の旧式で飛距離が短い、②重量が重い、③全て輸入に頼っており、インドにはミサイル開発の独自技術が発達していないと論評していた。一方、フイリピンABS-CBNは、中比間で争いが絶えない南シナ海、スカ―ボロ諸島での領土問題を海洋法裁判所への持ち込みたいとするフイリピン政府の申し出を中国は、拒絶したと伝えていた。
話し変わって、18日のNY証券取引所は、IBM,インテル決算が重しとなった。スペイン長期国債入札を19日に控えて前日の勢いから一転して売り優勢となり、NYダウは前日比82ドル安、13,032ドルで取引を終了した。「ワ―ルドWaveMorning」(経済情報)に出演した米国野村証券、後藤祐二朗氏は「スペイン国債入札結果、ワシントンで19日から開催されるG20財務相、中央銀行総裁会議での日銀白川総裁の講演が相場を動かすとの見方が一部に出ている。その後開かれるIMFの会合で欧州救済基金拡大をめぐってどの程度の進展が図られるかも注目される。」などと話していた。
18日のNY外国為替市場では、1ドル=81.28.~29円、1ユーロ=106.61~66円で取引された。日銀の金融緩和政策発表を期待してか、円売りポジションで様子見しているのかもしれない。NY原油【WTI】相場はバレル1.53ドル安、102.67ドルで取引された。米国石油在庫が09年2月来の高水準に積み上がっていることを嫌気した。NY金先物相場は、トロイオンス11.50ドル下げ、1,638.80ドルで取引された。2000ドル達成かと囃して買い上がっていたころと比べると様変わりである。
朝 5時45分からの「モーニングサテライト」の番組で、大和証券、山口秀宣氏が出演し「天然ガス相場が10年振り安値を記録した。」と話していた。原油は値上がりしてガソリンや粗製ガソリン(ナフサ)は値上がりしている。一方、天然ガスから取れるエチレン相場は天然ガスにほぼ連動して値下がりしている。石油化学メーカーは、コストが下がれば当然恩恵に浴する。企業業績改善につながる。株価にも反映すると証券会社のアナリストは言いたかったのであろう。
「ワールドWaveMorning」(世界の天気コーナー)を見ることが恒例となった。今朝はフリピンは38℃の猛暑と伝える一方、このところの温暖化の影響で、北極海の氷の面積が40% 減りアザラシの数が減り、その結果、アザラシを餌にして生きて来たホッキョクグマが年々減少、2万頭にまでになったという話しを紹介していた。
経済の世界でも、言葉は悪いが、中国を餌にして生きて来た面が強い。その中国が政治スキャンダルがらみで、政治の不安定化というリスクが出て来た。当然、経済にも響いてくるだろう。欧州金融不安と言う不安定リスクに中国が加わる。地球は一つである。世界の動きに、日々関心を持った多くの若者が日本にも育って欲しい。(了)
「揺らぐ共産党体制、不安な中国」と言うタイトルで、近着のニューズウイーク誌日本版は、重慶市元トップ、薄熙来が失脚した重慶スキャンダルを特集し、その中で「当の事件で地に落ちた中国と共産党のイメージ回復が習近平の初仕事になるだろう。しばらくはこわもてな中国をみなくても済むかもしれない。」と同誌記者の長岡義博記者が書いていた。メリンダ・リウ支局長は「大衆迎合的な共青団とエリートで保守的な太子党の意見が一致するようになったわけではない。今回の事件で、習近平の手腕が試されるだろう。」と書いていた。
18日付けのWSJ紙も重慶スキャンダルを多くのページを割いて取り上げた。2011年の中国のGDP(国内総生産)は9.2%増加した。中でも重慶は16.4%増加して群を抜く成長を記録した。それを支えたのがスキャンダル張本人の薄の積極的な公共投資であった。事件発覚後、薄が進めていた1億5千万元プロジェクトが一挙に3千万元へ削減された。低所得層240万人用に計画されていた住宅建設が消えた。重慶商業銀行の株価がスキャンダルが公にされたあとここ2日で14%急落したなど様々な形で世界第2の中国経済に影を落とし始めたと書いていた。
人間の健康でもそれは同じである。からだのどこにも問題を抱えていない人はいない。しかし、それが一端、公になると、その人間に対する評価が一変する。中国は様々形で問題を抱えていた。それが厳重な報道規制と2ケタ台を維持できた経済成長の陰に隠されてきていた。今回の重慶スキャンダルは、共産党一党独裁体制に亀裂が生じる事態にまで発展する可能性を秘めた大事件であると先のニューズウイーク誌もWSJ紙も指摘していた。特に政治の世界では他国にちょっとしたほころびも見せられない。今回の重慶スキャンダルのリスクには警戒が必要だろう。
ただ、今朝6時台の「ワールドWaveMorning」では、重慶スキャンダルに関するニュースはなかった。中国CCTVは、インドが18日に打ち上げを予定していたミサイル打ち上げ実験が19日に延期されたことを伝え「インドの烈火-5号は3つの弱点がある」と指摘、①ロシアから購入した80年代ないしはせいぜい90年代の旧式で飛距離が短い、②重量が重い、③全て輸入に頼っており、インドにはミサイル開発の独自技術が発達していないと論評していた。一方、フイリピンABS-CBNは、中比間で争いが絶えない南シナ海、スカ―ボロ諸島での領土問題を海洋法裁判所への持ち込みたいとするフイリピン政府の申し出を中国は、拒絶したと伝えていた。
話し変わって、18日のNY証券取引所は、IBM,インテル決算が重しとなった。スペイン長期国債入札を19日に控えて前日の勢いから一転して売り優勢となり、NYダウは前日比82ドル安、13,032ドルで取引を終了した。「ワ―ルドWaveMorning」(経済情報)に出演した米国野村証券、後藤祐二朗氏は「スペイン国債入札結果、ワシントンで19日から開催されるG20財務相、中央銀行総裁会議での日銀白川総裁の講演が相場を動かすとの見方が一部に出ている。その後開かれるIMFの会合で欧州救済基金拡大をめぐってどの程度の進展が図られるかも注目される。」などと話していた。
18日のNY外国為替市場では、1ドル=81.28.~29円、1ユーロ=106.61~66円で取引された。日銀の金融緩和政策発表を期待してか、円売りポジションで様子見しているのかもしれない。NY原油【WTI】相場はバレル1.53ドル安、102.67ドルで取引された。米国石油在庫が09年2月来の高水準に積み上がっていることを嫌気した。NY金先物相場は、トロイオンス11.50ドル下げ、1,638.80ドルで取引された。2000ドル達成かと囃して買い上がっていたころと比べると様変わりである。
朝 5時45分からの「モーニングサテライト」の番組で、大和証券、山口秀宣氏が出演し「天然ガス相場が10年振り安値を記録した。」と話していた。原油は値上がりしてガソリンや粗製ガソリン(ナフサ)は値上がりしている。一方、天然ガスから取れるエチレン相場は天然ガスにほぼ連動して値下がりしている。石油化学メーカーは、コストが下がれば当然恩恵に浴する。企業業績改善につながる。株価にも反映すると証券会社のアナリストは言いたかったのであろう。
「ワールドWaveMorning」(世界の天気コーナー)を見ることが恒例となった。今朝はフリピンは38℃の猛暑と伝える一方、このところの温暖化の影響で、北極海の氷の面積が40% 減りアザラシの数が減り、その結果、アザラシを餌にして生きて来たホッキョクグマが年々減少、2万頭にまでになったという話しを紹介していた。
経済の世界でも、言葉は悪いが、中国を餌にして生きて来た面が強い。その中国が政治スキャンダルがらみで、政治の不安定化というリスクが出て来た。当然、経済にも響いてくるだろう。欧州金融不安と言う不安定リスクに中国が加わる。地球は一つである。世界の動きに、日々関心を持った多くの若者が日本にも育って欲しい。(了)