暴走する北朝鮮:島田洋一氏講演会
江嵜企画代表・Ken
「暴走する北朝鮮!!金正恩の新たな策略」と題して、島田洋一、福井県立大学教授の講演会が4月13日、午後2時半から、国際生涯学習文化センターで開かれ、楽しみにして出かけた。
この日朝5時33分に淡路島を震源とする震度6弱の地震が発生、JR,関西私鉄、大阪地下鉄のダイヤは大幅に乱れたが、講演は予定通りはじまり、4時までの1時間半、北朝鮮問題のスペッシャリストの話に熱心に耳を傾けた。型どおり会場の様子をスケッチした。ただ惜しむらくは、会場見渡しても若者の姿はなかった。
講演のあと3人の男性が質問した。最初の質問者は「北朝鮮はミサイルを本当に発射するのか」と聞いた。
島田教授は「核ミサイルはおそらく発射しないだろう。米軍に仮に死者が出れば、アメリカは当然報復する。しかし、ミサイル発射だけならアメリカの対応は限定的だろう。」と答えた。そのあとでアメリカで云われている話と前置きして「オバマ大統領は、ビン・ラ―デン殺害に成功して気をよくしている。金正恩についても同じ事を考えてもおかしくない。アメリカは無人偵察機を頻繁に飛ばしている。」と答えた。
二番目の質問者は「北の国民は生きている楽しみがあるのか。いやいや毎日を生きてるのか。現体制に心から感謝しているのか」と聞いた。
島田教授は「トップを除けば自由がない。物もない。人民は不満を持っている。ただ、表立った反対は出来ない。恐怖政治のもとひとたび摘発されると三代まで先まで及ぶ。怖いから黙っている。脱北物によると肉は1年で10日ほど。鳥インフルエンザで破棄した鳥を中国からもらっているという話まである。」と答えた。
三番目の質問者は「北の政権内部の権力闘争について聞きたい。日本の新聞によると金正恩は顔を公に出していない。この点について島田先生の考えは」と聞いた。
島田教授は「最近いろんな情報が売り買いされている。面白い話では、中国政府と北の閣僚との打ち合わせの様子がDVDにまとめれて売られている。カネもうけのためなら北の関係者はなんでもやる。中国は三男の金正恩に手を焼いている。中国は現在長男をかくまっている。彼を利用して傀儡政権を作ろうとしているとの情報がある。」と答えた。
この日の講演の中では、アメリカが北に騙され続けているがこれはオルブライト以降、数々のアメリカの対北外交の失敗の結果である。特にヒル6ケ国協議米代表は北に騙された最たる男であるとの指摘した。クリントン元大統領も北に騙された。
ライス元国務長官は今もって北に騙されたことに気がついていないことを回顧録の中で堂々と書いていると指摘した。ケリー現国務長官はもともと戦争反対である。北に騙されるのではないかと島田教授は話した。
国務省の人間の中でも、北朝鮮との外交問題はテレビで取り上げられるため名前を覚えられる。名前が売れている人間は高い契約金でロビストになる。ロビストから公職へ。公職からロビストへ、出たり入ったりしてカネ儲けしている。これでは北に騙されるはずだと話していた。
日本にとって拉致問題は最大の問題である。拉致された人間は韓国、アメリカ、中国にもいる。今後、中国に拉致被害者が居ることをあらゆる機会を捉えて国際社会にアッピールすべきだと話していた。安倍政権はそのあたりを理解している。日本だけがんばっても拉致問題は進展しない。日中共同で拉致問題解決にあたって欲しいと島田教授は力説した。(了)