阪神ナンバ線車内風景(尼崎→上本町)
江嵜企画代表・Ken
上本町に所用があり阪神御影で特急に乗車、尼崎で阪神ナンバ線に
乗り換える。たまたま入ってきた奈良行き快速急行に乗るなり
目の前に座ってうつらうつらしているフードつきのお嬢さんから
描き始めた。
隣のうつむき加減のご婦人、電子書籍らしきボードを真剣に
のぞきこんでいる女性、スマホに熱中するマスクをかけた女性
2人、最後に手押し車を右手に少し派手な服装のご婦人を描き
込んだところで、「次はナンバ、次はナンバ」のアナウンスが
耳に入る。フードの女性以外はナンバで降りた。
吊革にぶら下がって談笑する男性二人は難波から乗り込んできた。
同じく難波から乗ってきた女性仲間を画面右に入れる。先のフード
つきの女性の背中に「高野山の顔」と題して仏像が描かれた観光
案内版を描きこんだところで「上本町」のアナウンス。「THE END」
である。あわただしく、飛び降りるようにして下車した。
どうしてそんなにまでして絵を描くのかというなかれ。絵心を
一端刺激されると電流が流れるように手が動くから不思議だ。
ところが興味がわかない被写体にはピクリとも動かない。
スケッチしていると楽しくて仕方がない。特に人物のときに
電流が走るようだ。絵を描くことで大いなるエネルギーを
頂いていることだけは確かだ。(了)