西宮市大谷美術館
江嵜企画代表・Ken
大谷竹次郎が収集した日本画56点を展示した『日本画その妙なる世界』、「日本画に見る四季のうつろい」展初日の1月2日、招待券をいただいたことを幸いに会場の西宮市大谷美術館へ家族と出かけた。午後2時過ぎに会場に着いた。阪神香枦園駅下車、東西に走る国道43号線ひとつ南の道路を西に進む。ゆっくり歩いて15分、香枦園小学校の前を通り過ぎると左手に美術館はある。
第一展示室「日本画にみる四季」では前田青邨、横山大観、橋本関雪など10人の日本画家の作品にまず圧倒される。第二展示室にある「画家に見る四季 川合玉堂」の8点の掛け軸は圧巻だった。昭和29年(1954)の作品「乗鞍」を真ん中にして右に「山村早春」(1943)、左に「峻峯雨後」(1935)を前にして会場の様子をスケッチした。いつものように用意された椅子に十数分腰を下ろす。その間、通り過ぎる人をその都度描き込んで仕上げる。彩色は帰宅後行う。
川合玉堂の絵では「秋晴」(1955)が目にとまった。作業するモンペ姿の女性の姿が生き生きと描かれている。山口蓬春の「瓶の花」(1958)は、鮮やかなつわぶきの黄色い花が鮮烈に迫って来た。山口蓬春は、解説によれば洋画から日本画に転じたという。どっしりとした花瓶になにげなく生けられた花であるが、わき役として、葉っぱと茎の描写が一層、主役を引きたてており強く印象に残った。
会場最後のコーナーは一階に移る。「美人画に見る四季」と「花鳥画に見る四季」2か所に分かれる。美人画では北野恒冨(1)、上村松園(3)、伊東深水(4)計8点の前には多くのファンが集まっていた。花鳥画のコーナーでは川端龍子(2)、小林古径、前田青邨、福田平八郎計10点が勢ぞろいしている。関西で活躍した日本画家の絵も多数見ることが出来た。
時間が許せば美術館の中のお庭がいい。シコンノボタンという名前通りの紫の可憐な花が出迎えてくれてラッキーだった。こちら阪神間は平年より1~2度高い気温も幸いした。年の初めに当たり思いがけないプレゼントをもらって、ルンルンで帰路についた。(了)