エヴァコール演奏会風景
江嵜企画代表・Ken
母校大阪府立大学混声合唱団エヴァコール、第58回演奏会が1月14日(土)午後5時半から「たかいし市民会館」で開かれ楽しみにして出かけた。演奏が終わったのは午後8時前だった。最寄り駅南海本線高石駅駅発20時12分の電車に幸い間に合ったが、帰宅した時は10時前だった。道路わきに神戸にしては珍しく雪が積もっていた。ここ数日こちら関西地区も寒い日が続いている。
演奏会は作詩境田四朗、作曲阿部圭介の ♪おしてる浪花の栄をうけて、住吉の丘 百舌鳥の野に♪ に始まる部歌から始まった。部歌を聞いていると50数年前の青春時代がプレイバックしてくる。この日たまたま前の席に座ったのがエヴァコール時代共に歌った後輩のUさんだった。Uさんの後ろ姿から描きはじめスケッチをまとめた。Uさんは「大阪府立大学の男声合唱団グリークラブはなくなったが、いろいろ大変なんやろうけど、エヴァコールは活発に活動を続けている。大したもんやな」と話していた。
Uさんはまた「団員の専攻学科が女声では物質化学、環境システム、機械、電気電子、総合リハビリなど、男声では、経済やマネジメントもあるが、電気電子、知能情報、緑地環境など、時代の要請を反映してか、がらりと変わっている。」と配布されたパンフ見て隔世の感ありと話していた。
前置きが長くなった。1stStageは混声合唱団のための組曲「クレーの絵本第1集」。20世紀のスイスの画家,PaulKlee(1879~1940)の描いた絵に谷川俊太郎が詩を、作曲家、三善晃が曲をつけた。ピアノにギターとシンバルが加わり彩を添えていて楽しかった。2ndStageは混声合唱団組曲「永久ニ」である。古代の世、人々の精霊への信仰や彼らの生きざまを表現したと配布パンフにあった。重厚感あふれる演奏が印象に残った。
3rdStageは赤すきんの物語に題材をとった企画ステージ。それぞれの演者の皆さんは一生懸命なのだろうが、基本的にマイペース。舞台の前に観客が見ている意識が薄い。それに加えてただ一言、口を大きく開けて、セリフ回しを気持ちゆっくり話せば格段に良くなる。そのことを、毎回、アンケートに書いて出す。一向に改まらないのが惜しまれてならない。
4thStageは混声合唱曲「地蔵礼賛」。荘重な調べが心地よく耳に残る名演奏だった。指揮をとられた当間修一さんは「人間」とは、「人」の「間」と書く。そのことに改めて人の本質を見る。己自身だけの意味を持つ世界では<例えようのない孤独があるだけだ>とパンフに書いておられた。アンコールに用意された混声合唱団組曲「月天使より」がまた良かった。作詩 宮沢賢治、作曲 千原英喜の曲である。この曲はEWA CHOR第50回定期演奏会に委嘱初演した曲でもあるそうだ。久しぶりにエヴァコール演奏に英気をいただき帰路についた。(了)